たくさんの登場人物一人一人に、しっかりとした個性付けが成されていて読んでいて非常に楽しいです。脚本形式の書き方も始めは戸惑いこそすれ、読んでいくうちにこの形式ほどこの物語に合うものは無いのではと思いました。
約5年の月日をかけてじっくり練り上げられたストーリーには、読む人をあっという間に没入させてしまう奥深さがあり、伏線の張り方や回収のタイミングもジャストタイミングで、時間さえあれば一気読みをしてしまうのではないかと思うほどでした。
これは本当に個人の願望なのですが、書籍化や映像化もされて欲しい……ゲームとかになっても楽しめそうですね。
ちりばめられた闇と恋、友情が生む冒険、そして読んで見ればわかる奥深さ。是非ともご一読願いたい作品です。
そして、素晴らしい物語と時間を提供してくださった作者様に感謝です。本当にありがとうございました!
カクヨムでは珍しい脚本形式の本作品に、最初は戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。でも舞台背景やト書きと共に、生き生きとしたセリフを読み進めるうちに、あなたはもう観客席から夢中になって舞台を見ているはず。
そこで繰り広げられる物語は、陰謀と策略が絡み合った過酷で謎めいた世界。
無数に張り巡らされた伏線は複雑で、推理劇のようにみなさんの好奇心を刺激します。
始まりは王妃毒殺事件。
王女ミレーネ姫の誕生日パーティーでのこの事件をきっかけに、緑の国は存亡の危機に陥っていきます。
運命を狂わされる人。無実の罪を背負わされて命を奪われる人。
たくさんの人々が絶望の中で、わずかな希望を頼りに前へ進んでいきます。
心理描写も丁寧で、イケメンも健気に頑張る可愛い女性もたくさん登場しますよ。暗いお話ばかりではありませんのでご安心ください。
恋あり笑いあり悩みあり。みんなの生き様に元気をもらえると思います。
そして大きな危機に立ち向かう時、ミレーネ姫を助けてくれるのが王妃から譲り受けた首飾りです。不思議な力を秘めた首飾りの謎もやがて明らかになっていき、ファンタジー要素も満載です。
感慨深いラストシーンには、作者様の自然や人間の営みに対する優しいメッセージが込められていると感じました。
最後の幕が下りた時、胸に沁みる余韻と共に大きな拍手を。そして一言。
「bravo!」
皆さんも是非ご一緒に体験してみてください。
物語は主人公のミレーネ姫が14歳の誕生日を迎えた日にはじまります。華やかな祝賀会のさなか、母親である王妃とともに毒を盛られ、盲目になってしまう彼女。従兄妹のジュリアスとポリーとともに事件の真相を追ううちに隠された事実が明らかになっていき……
本作はシナリオ小説という、カクヨムでは珍しい手法で書かれています。読みにくいのでは? という心配はご無用。エンタメ性を重視して書かれ、読み進めるうちにシナリオであることを忘れて没入できます。私にはシナリオの知識はないのですが、シナリオを読むという娯楽の素晴らしさを教えてくれました。
お話は自然豊かな「緑の国」、日照が少ない「白の国」という2つの国で展開します。お伽噺に登場しそうな舞台設定ですが、背後には陰謀が渦巻いていて。
宝石をめぐる謎、策略が交錯する宮廷、練り込まれた伏線。どの登場人物にもストーリーがあり、それぞれの事情が複雑にからまって怒濤のクライマックスへとつながるシーズン1の終盤はスリルの連続でした。
物語はシーズン2が開幕したところ。途中のシーズンからでも読めるとのことですが、最初のプレシーズンから読んだほうが断然楽しめるはず。発端となる毒薬事件の他いくつものサブストーリーが同時に進行するのに、混乱することなく自然に内容が頭に入ってくるのが凄いです。
とにかく読んでみてほしい一作です。確かな技術に裏打ちされた筆致に酔いしれて下さい。