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「線香花火みたい」

頂きもののお煎餅をひと口食べた娘が言った。

「線香花火?」

「うん」

お煎餅は甘くて少ししょっぱい砂糖醤油を塗って焼いた丸い形の、どこにでもありそうななんでもないものだが、それがどうして線香花火になるのか、私にはよく分からなかった。

「どうしてそう思ったの?」

「なんとなく。線香花火みたいだなって」

その後、娘はいつも通りにまたお煎餅を口にした。もう、おかしなことは言わなかった。私は今でも娘の言葉がうまく理解できず、謎に包まれたまま放置してしまっている。

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