28

宇宙はいつも不完全だ。

太陽はあまりにも広大な力を放つから誰も近寄れない。遠く離れた場所でしか必要とされない。

その一方で月は太陽がいないと光輝けない。存在を誇示できない。

太陽がいなければただの大きな岩同然なの。

宇宙だけじゃなくて地球もそうよ。

桜は散るからこそ美しく、紅葉は木々の老化の現れ。虫の音は特定のときに特定の個体しか発さないし、万物を癒し潤す水はときに人間の大敵になる。

でもね、完全なる世界を想像したらそこはなんだかとっても味気ない世界に早変わりしちゃうの。

なんて融通が効かないのかしらね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る