第5話  黒い来訪者

嫁さんが警戒する方向に目を向ける。

林の向こうで何やら黒い影が動いた。

木よりも大きな何かがこちらに近づいてくるようだ。


ズルリ、ズルリ……


何かが引きづられる音が聞こえてくる。

ドラゴンとは違い、空を飛んで来るわけではない。

それは地を這って移動するものだった。


やがて僕たちのいる川原に姿を現したそれは、こちらを鋭く睨みつけてきた。

――巨大な黒い蛇だった。


その姿に僕は戦慄した。

リアル生活で蛇に遭遇したことがある人はわかるかもしれないが、やつらは想像しているより気持ち悪い。それが頭だけで人間の倍はあろうかという巨体で出現したのだ。


いったい体長は何メートルになるのだろうか。

その体の向こう側、尻尾の方はまだ林の中にあって確認することができない。


「蓮くん!この子、昨日のドラゴンより強くないけど、かなりヤバいよっ!!」


嫁さんが珍しく真剣な表情で告げてきた。


強くないけどヤバい。

おそらく攻撃の悪質性が高いということを意味しているのだろう。

それは黒蛇の次の動作ですぐに証明された。


「キシィャァァァァァッッッ!!!」


黒蛇は口を大きく開け、牙から滴り出ている液体をこちらに飛ばしてきた。


位置関係としては嫁さんの方が黒蛇に近い。

嫁さんは自分に向かってきた液体をサッと横に跳んで避ける。


ビチャッ


嫁さんのいた場所には、薄い紫色の液体が残った。

そこからは異臭が漂う。

嫁さんが叫んだ。


「気をつけてっ!それ、たぶん毒だよっ」


僕もさらに忠告する。


「百合ちゃん、気化した毒も吸わない方がいい!臭いだけでも危険だ!」


「わかったっ」


返事とともに高く跳躍する嫁さん。

一瞬の動作なので、またもや姿が消えたように感じる。

黒蛇も嫁さんの姿を見失ったようだ。



ドンッ!!!!



次の瞬間、爆音とともに黒蛇の顎が地面に激しく叩きつけられた。


ビクンビクンと何回か痙攣した後、全く動かなくなる黒蛇。


上空から落ちてきた嫁さんの”踵落とし”を脳天に思いっきり食らったのだ。


またしても巨大なモンスターを一撃で瞬殺した嫁さん。

いや、殺したのはこれが初めてか。


「さすがに蓮くんのことが心配で、殺しちゃった。毒はヤバいよね」


「うん。やらなきゃ、こっちが食べられていたよ。たぶん毒で獲物を麻痺させて、丸呑みするんだと思う」


「この子、どうしようかなぁ……」


黒蛇の顔を覗き込む嫁さんを見て僕は心配する。


「気をつけなよ。死んでも毒は残ってるんだから」


言いながら、僕は毒液の撒かれた箇所を確認する。

念のため臭いを吸わないようにワイシャツの袖で鼻と口を押さえる。

よく見ると液体の他に何か別の固形物が落ちていた。

近づいてじっくり観察する。


それは、靴であった。


思わぬ発見である。

これだけでいくつものことが推測できる。


この世界にヒトがいること。

ヒトは二足歩行で歩く可能性が高いこと。

文化を持っていること。

そして、この持ち主が現在どこにいるのかということ。


「うーーん。でもこの子、ちょっと気になるんだよねぇ……」


嫁さんは、なおも黒蛇の顔を見つめている。

そこに僕は結論を報告した。


「百合ちゃん、そいつ、人を喰ったばかりかもしれない」


「え?」


「毒と一緒に、そいつの口から靴が吐き出された。人の靴だよ」


「あっ!」


何かに気づいた嫁さん。


「……いる。いるよ。蓮くん。人の気配がする!」


「えっ」


「いるんだよ!この子のお腹の中に人が!まだ生きてる!」


「マジ!?」


「すぐ助けなきゃっ」


嫁さんはすぐに黒蛇の横に移動し、喉元から尻尾の方向へ胴体を睨みつけながら歩いていく。

何歩か歩いたところで、


「ここだっ!」


と叫び、剣を抜き放って、いっきに振り下ろした。自分の身長の倍はある太さの胴体をあっさり切断する。


血液と体液が噴出した黒蛇の切断面。

その奥にヒトの足が見えた。


「いたっ」


黒蛇の血で汚れるのも厭わず、さっと足を掴んで引っ張り出す嫁さん。


僕はそれをハラハラしながら見ていることしかできなかった。


実のところ、何事も先に計算してしまう性格の僕は、この時、生存者がどんな状態で蛇の体内にいるのか、様々なパターンを想像してしまい、見るのも恐ろしいと足がすくんでいたのだ。


だが、そんな警戒心ばかりの僕が逡巡している間に、嫁さんはさっさと生存者を引っ張り出し、助けてしまった。


肉体も衣服もまだ消化されていない。

無事である。


生存者は40歳前後に見える、髭モジャの男性であった。

見た目は紛れもなく人間である。

体格があり、僕より背が高そうだ。


「やった!蓮くん、この人、息もあるよ!」


「よかった。蛇は獲物を何日も掛けてゆっくり消化するって聞いたことがある。まだ呑み込まれたばかりなんだろう。川で消化液を洗い流そう」


「うん」


助けられた男性は恰幅が良く、体重もありそうだが、嫁さんは軽々と持ち上げて川に連れて行った。


男性を溺れない程度に川に入れ、体中にまとわりついているベトついた液体を洗い流す。この役割は僕が引き受け、嫁さんには、自身も蛇の血と体液で汚れてしまったので洗い流してもらった。


男性の体を洗うと傷だらけであった。あの黒蛇と格闘したのだろうか。食べられる際にもきっとたくさん傷を負ったであろう。頭と顔についているベトベトも水を掛けて取り除く。


すると男性が意識を取り戻し始めた。


「う……うぅ……」


男性の目が半開きになる。


「あ、目が覚めたかな?」


言いながら、体を洗い終えた嫁さんもこっちに来る。


「ねぇ、蓮くん、英語できる?」


「え?」


思わず聞き返す僕。

嫁さんは、事もなげに言った。


「いや、この人どう見ても外人さんだから……」


確かに彫りが深く、日本人の顔ではない。

しかし、問題はそこじゃないだろう。


「百合ちゃん、そんなレベルじゃないよ。この人は地球人ですら、ないんだから」


「あっ、そっか。え、どうしよ、どうしよ……」


今さらながら急に焦りだす嫁さん。


そう。まさに急転直下なのだ。


この世界のヒトを確認したら、まずは観察。そんなことを昨夜、計画したばかりなのに、まさか、いきなり人命救助を行うとは思ってもいなかった。


そして、行きがかり上、仕方なく助けた未知の知的生命体が、僕の腕に抱えられた状態で今、目覚めようとしているのだ。


人間と同じ姿をしているとはいえ、どう話しかければ良いのものか。


「うぅーー……」


虚ろな表情で目を開ける男性。

少しずつ意識が戻ってきたようで、やがてこちらの存在に気がついた。


「あぁ……う……」


まだ、しゃべることができないらしい。


「あっ、お、お、起きたよ。蓮くん」


横で動揺する嫁さん。

こういう時は、いつも決まってオドオドしながら僕に助けを求めてくる子だ。


だが、僕だってどうしたらいいか、わからない。

こうなったら仕方がない。

何も思いつかないので、普通に話しかけてみることにする。


「もしもし?わかりますか?」


「あ……ぁ……」


僕の呼びかけに目で応じる男性。

言葉が理解されたかは不明だが、コミュニケーションは取れそうだ。


「毒にやられて麻痺しているんだな。水は飲めますか?」


言いながら、川の水を手ですくい、男性の口に運んであげる。


口の開閉がおぼつかないが、少しずつだが水は飲めるようだ。

何回か水を飲ませてあげると、男性の反応が変わった。


「あ……あいぁ……お……」


嫁さんが喜びの声を上げる。


「あれ?今この人、”ありがとう”って言った?」


「まだわからないよ」


僕にも同じように聞こえたが、確証は持てない。


水分補給は十分のようなので、川から引き上げ、岩のベッドまで運ぶ。しかし、やはりこのおっさんは重い。一人で運ぶのは大変だ。さりげなく嫁さんが足を持ってくれた。見かけ上は二人掛かりで、実際はほとんど嫁さん任せで、男性を岩ベッドに寝かせた。


「この人、傷だらけだよ。蓮くん、回復魔法って無いの?」


「あ、そうか。魔法が使えるのか」


失敗続きだったために魔法に対する期待を全く捨ててしまっていた。それにしてもRPGなら回復魔法は常識だが、現実に回復魔法が存在すれば便利なこと、この上ないだろう。試してみる価値は十分にある。


濡れないように退避しておいた魔導書を拾い上げ、回復魔法の発動をイメージしてみる。


『ワイルド・ヘヴン』の回復魔法は、いくつか存在するが、最も下位の魔法を選んでみた。


「【治癒の灯火ヒーリング・ライト】!」


魔導書はそのページを開いているが、何の反応も無い。

今度もまた魔法発動失敗である。

嫁さんが残念そうに見てくる。


「……だめ?」


「うーーん、今のところ風の魔法しか成功していないな」


「風っぽい回復もあったよね?」


「あるけど、一つ上位の魔法になるんだよなぁ」


言いつつも、とりあえずは試してみる。


「【治癒の涼風ヒーリング・ウィンド】!」


すると魔導書の魔方陣が輝いた。

淡い光を纏った風が男性の肉体を包み込む。

次第に傷が癒えていく。やげて全身傷だらけだった体が正常に戻ってしまった。


「すっごい!本当に傷が治っちゃった!」


「これ、本当にすごいな。現代社会にあったら革命が起きるぞ」


「蓮くんは私専用の僧侶として育てていたから、回復の方が得意なのかもね」


「というか、もしかすると僕は、風の魔法しか使えないのかもしれない」


嬉しい発見であり、この点はもっと時間を掛けて検証してみたいところだが、それは後に置いておこう。

傷の癒えた男性はまだ横たわったままなのだ。


「おじさん、動ける?」


「う……」


男性の目の表情からは感謝の気持ちが窺えるのだが、麻痺毒は解消されていないらしい。


「毒の治療まではできないのか……」


と、言うと同時に突然、僕はガクンと膝から崩れ落ちた。


「どうしたの?蓮くん?」


「いや……急に力が入らなくなって……」


「もしかして回復魔法のせい?」


「たぶん。”MP切れ”みたいな感じだ」


さすがに情けなく思う。

一つ上位の魔法を使っただけで”MP切れ”になるとは、僕はなんと弱いのだろう。


「ど、どうしよ……蓮くんまで倒れたら、私どうしたらいいか……」


「大丈夫だよ。疲労が重なったような感じだから、少し休んだら回復すると思う」


「そっか。じゃあ、このリンゴ食べててよ。元気出るよ」


「うん」


昨日、嫁さんが採取しておいた”リンゴもどき”は、まだいくつか残っていた。差し出された”リンゴもどき”を一口かじる。疲労困憊の体に甘い果汁が染み入るようで、昨夜よりもさらにおいしく感じた。思わず夢中で何口か、かじった。


すると、どうだろうか。

急に力が漲り、すぐに立ち上がることができた。


「えっ」


嫁さんも驚く。


「こ、この”リンゴもどき”、ただの果物じゃないよ。なんかこう、僕の中で枯れていたエネルギーがいっきに充填された感覚だ」


「MP回復みたいな効果かな?」


「そんな感じだし、それ以上の効果がありそうだ」


と、僕たちの感激している様子を見ていた男性が、目を見開き、必死に何かを訴えるような、しかし、か細い声を上げた。


「あ……ぁ…ぅあ……」


男性の目線は僕の持っている”リンゴもどき”を捉えている。


「もしかして、このリンゴ食べたいのかな?」


嫁さんが言う。


「確かにこの”リンゴもどき”の栄養価は非常に高いけど、この状態では食事なんて無理なんじゃないかな」


僕が分析を伝えると、嫁さんは何か思いついたようだ。


「絞れば飲めるんじゃない?」


「ああ、確かに」


「よしっ」


嫁さんは剣を抜き、”リンゴもどき”を八つに切る。

その一切れを手に持って男性の口元に運んだ。


「おじさん、手はさっき洗ったばかりだから、これで我慢してね」


男性の口の上で右手の”リンゴもどき”を握り潰す。

右手がジューサーとして働き、”リンゴもどき”の汁が溢れてきた。


ごくり、ごくり、と少しずつ飲み込む男性。

なんと次第に飲む速度が速くなり、力なく垂れたままだった腕が動き始めた。


「あれ、手が動いたっ」


「麻痺毒を治す効果まであるのか!」


気を良くした嫁さんは、次々と”リンゴもどき”を握りつぶして男性に飲ませる。


4切れ目の”リンゴもどき”汁を飲み干した時、男性の言葉が聞こえた。


「あ、ぁ、あり……ありが……とう!」


今度はハッキリと聞き取れた。


不思議な感覚だった。今、確かに男性は別の言語でしゃべったはずなのだ。しかし、それが”ありがとう”を意味するのだと明瞭に理解することができた。


嫁さんもこちらを見る。僕と同じように感じたようだ。


「蓮くん、私わかるよ。この人が何を言っているのか、わかるっ」


「うん。僕も同じだ。不思議な感覚だけど、言語が違うのに脳内で翻訳されているみたいにハッキリと理解できる」


「リンゴ、まだ食べる?」


嫁さんが男性に呼び掛ける。

果たして通じるだろうか。


「た……食べる」


通じた。


どういう理屈か知らないが、こちらの言葉も向こうには伝わるらしい。


切り分けておいた”リンゴもどき”を嫁さんが口に運ぶと、男性は大きな口を開けて一口で食べた。

ゆっくりと咀嚼し、飲み込む。

すると男性の腕が動いた。

男性は手を顔の前に持ってきて、握って開いてを繰り返す。


「いやぁ、あんちゃん、ねえちゃん!ありがとな!ほんっっとに助かったわ!」


見た目に反しない大きな声で男性がしゃべり出した。

単語だけでなく、文章として全ての言葉を理解できた。


「おじさん、もう大丈夫なの?」


嫁さんも喜びの声を上げた。

男性はついに体を起こすまでになり、嫁さんと会話を始める。


「あぁ!あんたら、あの『ブラック・サーペント』を倒したのかい?」


「あの黒い蛇のこと?うん。そうだよ」


「いや、まいった。そこまで凄腕の”ハンター”に出会えるとは、俺はなんて運がいいんだ!」


「おじさん、蛇に食べられてたけどね」


「違いねえな。だが、やはり運がいい!命が助かっただけでなく、貴重な『マナ・アップル』まで恵んでもらえたんだ。これ以上のことはない!」


「このリンゴ、その辺にいっぱい成ってるよ」


「いやいや、そりゃぁ、この一帯は『マナ・アップル』の産地だが、あのバカ高い木の上から実を採ることができるのは鳥くれえなもんだ。鳥がつつくなり、突風が吹くなり、で落ちてきた実を偶然キャッチするくらいでなきゃ、手に入らないだろう」


「あぁーーそうかぁーー」


若干、渇いた笑い声で適当に話を合わせる嫁さん。

さすがにジャンプして採ってきたとは彼女も言わなかった。


「これを食わなきゃ、一週間は毒が抜けきらなかっただろう。いや、本当にありがたい!」


僕は逆に驚いた。

それほどの毒を治療する効果があるのか、この”リンゴもどき”には。


「おじさん、お名前は?」


嫁さんが質問する。


「いや、これは申し遅れた。俺の名は『バーリー』だ。

よかったら、ねえちゃんとあんちゃんの名前も教えてくれるか」


「私は百合華。こっちの人は私の旦那様」


僕も紹介されたので、ここは名乗るしかない。


「蓮と言います」


”白金”という名字は名乗らない。

この世界の文化を知るまでは名前のみで通したほうがいいだろう。


「ユリカとレンか、珍しい名前だな。あんちゃん達、どこから来たんだ?」


バーリーさんから問われる。ここは適当にごまかすしかない。


「ちょっと遠い国から……」


「まぁ、そうだろうなぁ。顔と格好見りゃ、なんとなくわかる。その歳で嫁さんもらって旅してるんだからワケありなんだろ?」


「ええ、まぁ、そんなところです」


「おじさんはどうして、あの蛇に食べられちゃったの?」


再び嫁さんの質問。


「ああ、俺はな、あの山、聖峰『グリドラクータ』を調査するために、ここまで来たんだ」


僕たちがいた山のことだ。

”聖峰”などと呼ばれる場所だったのか。

確かにドラゴンが住んでいるような山だ。特別な場所に違いない。


「その途中で、まさかの『ブラック・サーペント』に遭遇してな!昨日の夕方のことだ。そこから、逃げて隠れてしているうちに日が暮れちまって。村に帰ろうにも、夜の森は危ねえからな。木の上に登って、朝日が昇るのを待つことにしたんだ。しっかし、まぁ、夜が明ける前に『ブラック・サーペント』にまた見つかっちまってよぉ。結局、逃げ切れずに毒を浴びて、喰われちまったというわけさ」


バーリーさんの説明に嫁さんが反応する。


「あ、じゃあ、おじさんが食べられたすぐ後に私たちが黒蛇に会ったのかも」


「ほとんど消化されていなかったし、そういうことだろうね」


僕も応じた。

おそらくもっと時間が遅れていれば、バーリーさんは黒蛇の体内で窒息死していただろう。


「もう少し速く私たちの方に走ってくれば、食べられる前に助けられたのにね」


嫁さんが言うと、バーリーさんは笑い出した。


「ガハハハハハ!!そんなこたぁ、言うもんじゃねえ。この世は何が起こるか、わからねえのが道理じゃねえか。命があっただけで満足よ。あんちゃん達に助けてもらえて、俺は本当に運が良かったんだ!」


僕のマイナス思考とは真逆の考え方だ。よく見ると体の傷は治っているが、昔からの古傷の跡がたくさんある。いくつもの修羅場を乗り越えてきた、という風格のある人だ。


「それによ、今の話から考えたら、俺はあんちゃん達のところまで、『ブラック・サーペント』を連れてきちまったことになる。むしろ、あんちゃんとねえちゃんを巻き込んだようなもんだ。本当に申し訳ねえ!そして助けてくれて、ありがとう!」


聞いていて安心してきた。

このバーリーさんは、本当に心から”いい人”のようだ。


「ううん。私たちもこの世界の人に会いたいと思ってたから、バーリーさんに会えてよかったよ」


と、嫁さんが応じたのだが、もう少し言い方を考えて欲しかった。

”この世界の人”なんて言ったら怪しまれてしまうだろうに。


「そうなのか。まぁ、どんな国から来たのか知らねえが、俺の村になら案内できるぜ」


「やった。ありがとう」


「いや、こちらこそ村で礼をさせてくれ」


これは願ったり叶ったりだ。

気づけば、昨夜の心配が嘘のように、とんとん拍子で話が進んだ。

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