第674話 特殊後付けカテゴリー「天使」と「悪魔」!
「人種」カテゴリーには「天使」「悪魔」というものがある。
これはかなり特殊なグループだ。
その特殊さはこの二つが後付けカテゴリーと呼ばれていることにある。
実はこの二つのカテゴリー、人に後付けで「天使」または「悪魔」のカテゴリーを付与することが出来るのである。「人間」であろうが「猫人」であろうが関係なく【天使】系統の
後付けで「人種」カテゴリーの付与なんてそんなのあり!? と思うかもしれないが、ありなんだな~。
ちなみに【天使】系統【悪魔】系統の上級職にはそのルートの下級職からしかなれないので、例えば【スターキャット】から【天使】系統の上級職に就くことはできないぞ。
【天使】系統【悪魔】系統を育てたければ下級職からその系統で育成する必要があるわけだ。
また、天使と悪魔は一応「
さて、なんで俺がこのタイミングでこんなことを言い出したのかというと、その「天使」と「悪魔」のカテゴリーを付与する専用のアイテム、〈天魔のぬいぐるみ〉をゲットしたからに他ならない。
〈天魔のぬいぐるみ〉はドロップ率がかなり辛いので、中級ダンジョンに来て結構経ったが今までドロップすることはなかったのだが。
しかし、例の〈テンプルセイバー〉の〈決闘戦〉の報酬に、なんと〈天魔のぬいぐるみ〉があったのである。マジかよ。使えよな! 売れば1億ミール以上するけど。
いや、おかげで俺が使うことが出来るのだ。使わなくて偉いぞ〈テンプルセイバー〉!
というわけで、俺は強力な
そして「天使」は文字通り回復を司ることが多い。どんな
ふっふっふ、夢が広がるな。
「よし! 早速俺たちの天使を探しに行こう!」
「なんかゼフィルス君が急に変なことを言い出したよ!?」
おっとしまった、発現条件を満たし終えたオリヒメさんとレグラムを見送って気が抜けてしまったらしい。近くにいたミサトが目をまん丸にして俺を見つめていた。
あとそうだ、大切なことを忘れていた。
「そうだミサト。この学園で【天使】系と【悪魔】系の
いるならスカウトをかけたいところだ。しかし、ミサトの答えは残念ながら俺の期待したものではなかった。
「へ? う、う~ん。聞いたことないかな。ほら、【天使】と【悪魔】って〈転職〉しなくちゃいけないじゃん?」
「あ~」
そこで思い至る。
「天使」と「悪魔」のカテゴリーを付与するためのアイテム〈天魔のぬいぐるみ〉は中級ダンジョンの超低確率ドロップだ。
つまり中級ダンジョンをクリアしなければ手に入らない。中級ダンジョンをクリアして〈天魔のぬいぐるみ〉をドロップしたはいいが、【天使】か【悪魔】に就くためには〈転職〉しなければならないということだ。
ということは上級生で【天使】もしくは【悪魔】に就いた学生はおらず、また一年生も
なるほど、ゲームの時のようにプレイヤーが操作しているわけではないのでこういうところがネックになるのか。この学園に入ってから【天使】系も【悪魔】系
「えっと、ゼフィルス君は【天使】系の
「こほん。せっかくの〈転職制度〉だしな。それに〈天魔のぬいぐるみ〉も持ってる。これは良い機会だと思うんだ」
俺は誤魔化すためにせっかくの〈転職制度〉だからというところを強調した。
いや【天使】系と【悪魔】系ってマジ強いんだよ。ならなくちゃ損だろ?
しかし、今まで〈転職〉についてしり込みしていたこの世界だ。果たしてどれだけの人が【天使】系と【悪魔】系にこの機会に食いつくか。
俺は少し考えてみる。
「ふむ、誰も就いている人がいないのか……。いっそ【天使】と【悪魔】両方仲間にするのも有りか?」
この世界はまだまだ
それと同時に
つまり、一歩踏み出すために何か目標や、憧れが必要なのだ。
あの人のようになりたいとか、あの人のように活躍してみたいとか、あの人と同じ
だからこそ、俺がその一歩踏み出すための後押しをすべきかもしれないと考えた。
しかし、それには一つだけ問題がある。
「〈天魔のぬいぐるみ〉一つではどちらか一方しか付与できない。2人に付与するとなると〈天魔のぬいぐるみ〉も二ついるんだよな」
そう、【天使】と【悪魔】を仲間に加えるとなると人数は2人になる。つまり、〈天魔のぬいぐるみ〉もまた二つ必要ということだ。
そこで俺は一つ思い出したことがあった。
「そういえばオークションに一度出品されていたことがあったな」
「ゼフィルス君?」
「ミサト、一度ギルドに向かおう。セレスタンと相談したいことが出来た」
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