第542話 〈1組〉VS〈15組〉〈58組〉戦の決着。
勝負は十数秒の出来事だった。
【忍者】であればスピードで翻弄し、タンクを足止めをすることもできると踏んでいた。しかし結果は、――惨敗。
まるでこちらの手の内を知っていたかのように、一瞬で完璧に対応され、動揺したところにダウンを取られてそのまま〈気絶〉まで持って行かれた。
同盟軍が回り込もうと隣接マスへ一歩踏み込んだタイミングだった。
まさか10秒ちょっとしか足止めできないとは完全に予想外だった。
「こ、これが、上級職だと!?」
ナイヴスが恐れ
そんな中、シエラは一匹の〈ウルフ〉に指示を出す。
「〈ウルフ〉、これ、後は任せるわ」
「オンッ!」
〈気絶〉したコブロウは〈ウルフ〉が
そして、〈ジェネラル〉の前に貢物のように献上されたコブロウは、一撃で退場してしまう。
「コブロウ―――!?」
恐ろしい光景だった。
誰もが〈ジェネラル〉さんを見て浮き足立ち、同盟軍の誰もが動けずに居たところで、さらに事態は動き出す。
「とう!! 『ローリングソード』!」
元気なロリッ子ボイスが緊張した空間に切り込んだのだ。
「な!? ぐはっ!?」
「見つけたのです! この人は指示をしていた人なのです! 『チャームポイントソード』! からの――『ロリータオブヒーロー・スマッシュ』!」
「うぁ!? ちょ、待っ――うびゃらばぁぁぁぁっ!?」
そこへ襲来したのは我らが【ロリータヒーロー】のルル。
〈58組〉リーダーアトルトアを見つけると一瞬で『ローリングソード』で切り込み、『チャームポイントソード』で攻撃力防御力デバフを付与。そのまま大技の『ロリータオブヒーロー・スマッシュ』でぶっ飛ばして退場させてしまう。
南防衛ラインでは〈58組〉のメンバーがすでに全滅。
仲良し3人娘のサチ、エミ、ユウカが引き続き防衛ラインを受け持ち、ルルだけは同盟軍の後ろから切り込む形で送り出されたのだった。
奇襲は大成功。
リーダーがやられた〈58組〉は大混乱し、その煽りを受けてパニクる〈15組〉。
残されたリーダーナイヴスはなんとか態勢を立て直そうとするが。
「くっ、落ち着けみんな! 冷静になるん―――!?」
ドパァンッ!!
銃声。そして指示を出している途中でナイヴスの言葉が途切れる。
ナイヴスが恐る恐る自分のHPバーに目を向けると、そこには〈麻痺〉のアイコンが光っていた。力が入らなくなり、その場に倒れこむ。
「いっちょ、上がり」
その声の主は、【ハードレンジャー】のミュー。
ナイヴスを〈麻痺〉させたのは、スキル『パラライズシュート』だった。
成功率、命中率、共に高くないが、上手くいけば相手を〈麻痺〉状態にできる優秀なスキルだ。今回は大成功に決まったらしい。
動きを止めたナイヴスはミューに狙撃されてしまったのだ。
そして、戦場へもう1人も駆けつける。
「お待たせいたしました。防衛ラインの罠を張り直すのに少し掛かりました。これで邪魔者も来ませんし、私たちも参戦いたしましょう。ユニークスキル発動――『優雅に的確に速やかに制圧』!」
【戦場メイド】のシズである。
言葉通り東の防衛ラインを担当していた2人は罠の再配置を終え、足止めしてきた〈15組〉のメンバーをセレスタンと〈マッチョーズ〉に任せて駆けつけてきたのだ。
シズはそのまま、自己の戦闘力を大上昇させるユニークスキルを発動。
発動中は両手に両手銃を一丁ずつ装備できるようになる他、素早さが大幅に上昇、さらにスキルのクールタイムが減少する強力な
当然シズの『優雅に的確に速やかに制圧』はLV10。
こうなるとシズは純アタッカーの基準を遥かに超える。
元々持っていたアサルトライフルのような両手銃、〈
そのまま二丁両手銃で敵陣に踊りかかったのだった。
「ラナ様を狙うとは不届き千万です。ここで退場なさってください――『グレネード』! 『連射』! 『徹甲弾』! 『貫通弾』!『チャージショット』! 『ハートスナイプ』! 『魔弾』! 『ジャッジメントショット』! 『マルチバースト』!」
「きゃぁぁ―――」
「うわ!?
「お、おいそっちに逃げちゃだめだ」
「ブルオオォォォォォッ!」
「〈ジェネラル〉とバッタリだとおぉぉぉ――――うぎゃあぁぁぁ!?」
「うわ! 〈ウルフ〉が、〈ウルフ〉噛み付いて――、やめなさい! 『オーラ・ソ――」
「隙ありなのです! とう! ――『ジャスティスヒーローソード』!」
「はきゅん!!」
「逃げろ逃げろ! ここはもうダメだ!」
「逃がすと思っているのかしら! 『聖光の耀剣』!」
「へ? あぎゃあぁぁ!?」
「テネブレア様、お願いします」
「――――」
「ひいぃぃ、う、動けない――!?」
シズの大暴れも加わり、大混乱になった同盟軍に防衛モンスターも襲い掛かり、こうして完全に壊滅。
リーダーナイヴスも〈麻痺〉で動けないところをミューに討ち取られ、攻めてきた〈15組〉〈58組〉同盟軍は、全員退場してしまったのだった。
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