第398話 着々と準備は進む。試験相手が決まったようだ!
Dランク昇格試験の試験内容と対戦相手が決まった。
なんか学園が募集をかけたら対戦相手の立候補が凄い倍率になったという話だが、定かではない。
いや、そんなことは考えていなかったんだが……、しかし考えてみれば確かにこれはチャンスだ。
なんか引き抜きされる気マンマンとのことなのでいい人がいないか見極めるとしよう。
試験内容はギルドバトル〈城取り〉〈10人戦〉〈四角形(障害物有り)〉フィールド。
ちなみに対戦相手とは、Dランク昇格試験を請け負う学生のギルドのことだ。
Eランクの練習ギルドバトルの時は教師の方が相手をしてくれたが、Dランク昇格試験では人数も10人と多くなるため、学園が学生に試験監督を頼んでいる形だ。
主に学園からクエストが発注され、それを受けてくれたギルドが
ちなみに実際に昇格試験の合否を決めるのは審判をしている教師なのでそこは心配しなくてもいい。
学生は試験官をすることで将来のためにもなるため学園側はこの制度を積極的に利用していた。
また、昇格試験の試験官を
ギルド側も学園からの依頼ということで内申点を稼ぐチャンスだし、非常に真面目に仕事をしてくれる。
上手い制度だな。
というわけで、今回俺たち〈エデン〉のDランク昇格試験を受けてくださるギルドだが、Dランクギルド〈
このギルド、どこかで聞いたことがある気がするがどこだっただろうか? 思い出せない。まあいい。
時間は金曜日、17時から、第六アリーナにて行うことになっていたので少し余裕があるな。選択授業の臨時講師の仕事が終わり次第、軽く学生たちに受け答えをする時間くらいは取れるだろう。
ギルドバトルの準備も着々と進んでいる。
装備を調えたりとかな。
ということで俺はC道にある〈ワッペンシールステッカー〉ギルドに来ていた。
「マリー先輩~。〈ダッシュブーツ〉は木曜日に納品してもらいたいんだけど間に合うか~?」
「誰に言うとんねん。余裕に決まっとるやろ。木曜日の放課後までには全部仕上げとくわ」
「さっすがマリー先輩だ。頼りになるぜ」
「兄さんは少し自重しよか? この〈バトルウルフ(第三形態)〉の素材の山はなんなん?」
「ハハハ! 頑張って狩ってきたぜ」
「頑張っての域を優に超えとるんよな~。別に詳しく聞かんけど、うちのギルドは大助かりやし。でもうちらの仕事が増えまくってるんやけど?」
「嬉しい悲鳴だろ? 来週はもっとたくさん持ってくるぜ!」
「あまり持ってこられても過剰供給で買いたたくで! けど、もしレシピがドロップしたら提供してな~。そしたら装備品半額で作ったるわ~」
さすがはちゃっかり者の商売人、マリー先輩だ。商売上手にノリ上手である。
デフレで買い叩かれるのは勘弁なので在庫はこっちで保管しておこう。
やはり〈
QP使って良い物をギルド部屋に設置しておこう。
ゲーム〈ダン活〉時代はデフレなんて関係なかった売値だが、現実だと売れないタイミングがある。そうなるとある程度在庫を抱えておかなければならない。
続いて〈金箱〉産だ。
上級に行けば中級装備は換装だ。いらない物は売るに限る。ただしあまり高く買い取って貰えない物はハンナの奉納行きだ。
ちなみにだが、リアル〈ダン活〉では通常の最高到達階層が
そういう価値ある装備品は、大体オークション行きだ。最近はがっぽり稼がせて貰っている。
ただ、オークションには枠が有り、Eランクギルドはシングルオークションに掛けられるのは1品までと決まっている(月に一度開催)。ネトオクの方は2品(週に一度開催)、見ての通り枠が少ない。
そのため、余った物は全てマリー先輩のところに卸している形だ。
「んじゃこれな。
「おおきに~。まいどおおきに~」
今回は全部で7品マリー先輩のところに卸した。
全て
もうじき
ミールはいくらあっても良い。今のうちに稼ぐぜ。
マリー先輩はホクホク顔で〈金箱〉産を持って店の奥に消え、しばらくしたら査定表を片手に戻ってきた。
「これでどや? 〈バトルウルフ〉のはもう数日待ってな」
「うは、すげぇ金額。あの〈金箱〉産、こんなに高値で買い取っていいのか?」
マリー先輩が持って来た査定表には今卸したばかりの〈金箱〉産の査定が書かれていたが、額がゲーム時代より2倍くらいお高い。3倍近い物まである。
「ええでええで。適正価格や。これでうちのギルドが損をすることはまずないから安心してええよ。今は欲しがっている2年生が多いねん。誰かさんのせいでな」
はて、何か含みのある言い方だが俺には心当たりは無い。
このリアル世界では、中級〈金箱〉産は貴重だ。故に売値がゲーム時代とは結構違う。と、そういうことだろう。
「んじゃ。了承っと。ここに入金頼むぜ」
「あいよ~。後、もし〈銀箱〉産の装備も余っているのあったら今なら高~く買い取るから、よろしゅうな~」
「おう。そりゃあありがたいな。近いうちたくさん持って来るぜ」
俺は査定表にサインを入れて〈
マリー先輩も同じく〈
またギルド資金が増えてしまったぜ。ふはははは!
そんな感じにやるべき事を済ませ、今後に向けてギルドの資産を増やしつつ準備を進めていったのだった。これでDランク昇格試験の準備はほぼ整ったな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます