第370話 【竜騎姫】はおとぎ話じゃ無い実在する上級職!
【竜騎姫】。
「騎士爵」のカテゴリーが就くことが出来る
エステルが就いている【姫騎士】から〈
〈上級姫職〉は〈姫職〉からしか
だからだろう、フレックDさんが「実在するかも分からない」なんて言ったのは。
この世界ではそもそも
その中でも〈上級姫職〉という、〈ダン活〉でも頂点に君臨する
発見されていない
おそらく【竜騎姫】に就けた人物も歴史上一人とかで、そもそも上級職という情報すら失われてしまったほど過去の事である、とかそんな感じなのではなかろうか。
しかしだ。【竜騎姫】は実在する。
それも〈ダン活〉ではアタッカーとして非常に強力で人気の
常に変動し続けた〈上級部門・公式
【竜騎姫】になりたい。非常に素晴らしいと思う。
よかろう!
この俺が、しっかり【竜騎姫】に就かせてあげようではないか!
アイギスさん。俺はもう君を逃さないぜ。
「採用で!」
「ふえ?」
フレックDさんの説明の途中で採用宣言した俺に、アイギスさんから変な声が漏れた。
見れば皆変な顔をしていた。
採用と言ったのがそんなにおかしかっただろうか。
「えっとぉ?」
「アイギスさんは採用と言ったんだよ。うちの下部
「いやいやちゃんと聞いていたのか? 【竜騎姫】はただのおとぎ話の類いなんだって。本当は存在しない空想の
説明の途中で固まっていたフレックDさんが俺の言葉を聞いて慌てて勘違いを正そうとするが。
「竜がいないなんてどうして分かるんだ? まだ
「それは……」
俺の言葉にフレックDさんが詰まる。
そう、今の世界の人たちには
フレックDさんが「竜がいない」と言ったのも、所詮は
そして俺は知っている。
上級中位ダンジョンの一つ〈
そして、その先では様々なイベントで本物の竜が登場してくるのを。
【竜騎姫】の発現条件には確かに〈竜種のテイム〉というものがある。
〈テイム〉とは【魔物使い】や【テイマー】系の
【ナイト】系も、騎乗出来る一部のモンスター限定だが、テイムすることができるスキルを持つ。
それを使い〈竜種〉を〈テイム〉できれば【竜騎姫】転職の道が開かれるという寸法だ。
ちなみに〈ダン活〉では〈丘陵の恐竜ダンジョン〉に登場した恐竜や、他のダンジョンにも登場する首長竜、翼竜の類いは厳密には竜種ではなく、恐竜種というトカゲモンスターに近い扱いとなっている。
〈ワイバーン〉相手には〈滅恐竜剣〉の『恐竜キラーLV5』は特効効果が無いので注意が必要だ。
とはいえだ。さすがに今の俺が
「〈エデン〉は上級の攻略も視野に入れている。もしかしたらその過程で〈竜種〉も発見出来るかもしれない」
「上級を!? しかし、〈キングアブソリュート〉ですらまだ上層で手こずっているという話だが!」
「そ、そうです。さすがに上級ダンジョンの攻略は難しいのではありませんか?」
フレックDさんとアイギスさんが驚愕しているが、そんなもの〈上級転職チケット〉が足りていれば問題ない。
〈エデン〉はすでに〈上級転職チケット〉を3つ確保している。
上級へ挑む準備は着々と進んでいる。問題は、無い。無いんだよ。
「難しいだけだ。無理では無いさ。目標というのは高ければ高いほど良いだろう? だから【竜騎姫】に就くことを諦める必要は無いさ」
俺がそう言い切ると、アイギスさんはカチューシャ型の兜を外し、ぎゅっと胸に抱えた。
「私は、本当に〈エデン〉へ移籍させていただけるのですね?」
「もちろんだ。下部
アイギスさんは首を振る。
「十分すぎます。〈転職〉し、LVがリセットとなる身でありますが、よろしくお願いいたします」
「おうよ。【竜騎姫】に就けるまで何度も挑戦すればいい。〈エデン〉は強くなりたい人を歓迎する」
「はい」
アイギスさんはこれから〈エデン〉の下部
まずはエステルと同じく【姫騎士】に就かせるところから始めよう。
LVは0からやり直しだろうが、〈攻略者の証〉は持っている。〈道場〉を使えばすぐにLVは上がる。
俺はアイギスさんの今後の育成に思いを馳せるのだった。
「あの、ゼフィルスさん。俺は?」
……フレックDさんが俺の肩をちょんちょんと指先で突きながらそう聞いてきた。
すまん。フレックDさんは、〈不合格〉なんだ。
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