004-4-06 記憶の試練(1)

 桐ヶ谷きりがや流が修める技術は多岐に渡る。基礎である体術、刀術や槍術、弓術などの各種武器の扱い、隠密の仕方もだし、心理学や話術といった人心操作も学ぶ。他にも、武とは対極に見られがちな勉学方面も高水準で教授される。


 あらゆる状況に応じて戦い抜く、それが桐ヶ谷流の真髄なのだ。脳筋のうきんのバカではいられない。


 広く深く様々な項目を極めるゆえに、桐ヶ谷流を合格点まで習得できても、満点まで覚えられる者は稀だ。時代によっては、当主でさえ完全習得ができないこともある。


 だからこそ、一族の娘として生まれた私も、物心つくかつかないかの幼少から武術に励んだ。食事や睡眠といった必要最低限を除いて、朝から晩まで全ての時間を桐ヶ谷流の修行に注ぎ込んだ。


 幸か不幸か私には才能があったようで、教えられた技術を短期間で習得していった。それを周囲の人間は褒めそやし、気分を良くした私は余計に修行へのめり込んでいった。未就学児の時点での腕前は、門下生の中では最下層とはいえ、成人男性を軽く圧倒できるレベルだった。


 桐ヶ谷流に打ち込む日々へ疑問を覚えてしまったのは、小学校に入学してしばらくしてから。これといった明確なキッカケが存在したわけではないが、クラスメイトたち──特に同性である女子──と雑談を毎日交わしているうちに常識の齟齬を認識してしまったのだ。


 普通の女の子は一日のほとんどを修行に費やしたりしない。それどころか、大多数の少女は武術に関わりさえ持たない。同年代の子たちは日々を遊んですごすのだと。可愛いものを愛でたり、カッコイイものを称賛したりするのだと。


 その事実を知った時の衝撃は計り知れなかった。途端、自らの現状にすさまじい羞恥を覚えた。他の女の子とは違いボサボサで短い髪、簡素な服装、修練で硬くなってしまった拳など。今まで全然気にならなかったモノが、気になって気になって仕方なくなった。


 外の常識に触れた私は好奇心に身を焦される。みんなが話題にするテレビ番組を見てみたい、ゲームとやらをやってみたい、オシャレをしてみたい、思いっきり遊んでみたい。


 子供であれば当然の欲求を、小学生になってようやく実感したのだ。


 そんな当たり前の子供になった私は、すぐさま行動に移した。修行の時間をいくらか減らしてもらえるよう、父へ直談判したのだ。


 自分が桐ヶ谷流を習得しなければならないことは幼いながらも理解していたため、ゼロにして欲しいとは申し出なかった。ほんの少し、一時間だけでも良いから自由な時間が欲しいと頼み込んだ。


 その結果は────


「竹刀を持て」


 父の冷徹な声が響く。


 何を言われたのか分からなかった私は、キョトンと間抜けな表情を晒す。


 たっぷり十秒かけて言葉の意味を理解すると、私は慌てて問い返した。「どうして竹刀を持つのでしょうか」と。


 しかし、父は答えない。無言で、その鋭い視線を私へ向けるだけだった。


 私は堪らず周囲の者に視線で助けを求める。母や祖父、上級の門弟たちが揃っていたが、彼らは微動だにしなかった。それどころか、軽蔑の色で私を見る始末。あれほど自分を褒めた人たちはもちろん肉親までも、誰一人として味方になってくれなかった。


 私に絶望している暇などない。父から滂沱の覇気が放たれたためだ。


「ひっ」


 短い悲鳴が漏れる。


 決して六歳の女児に向けて良いものではない気迫に晒されて、私の身はすくみ、震え上がった。


 このままでは殺されてしまうと本気で考えた。いつの間にやら父の手にあった竹刀が自分の脳天をカチ割り喉笛を突き破ると、心の底から恐怖した。


 恐れに支配された子供に、命令へ逆らう気力があろうはずがない。私は震える手で何とか竹刀を握り、父に対して正眼の構えを取った。


 相対した父は大きかった。物理的にもそうだが、その気配がすさまじい。本来の姿の五倍は巨大に映った。底の知れなさが、よりいっそう恐怖を誘う。


 息が乱れ、竹刀の切っ先はブレまくり、膝がカクカクと笑う。父娘の実力の差は歴然で、私は逃げ出さないよう必死に足を踏ん張っていた。


 そのような私の努力など気にも留めず、門下生の一人が私と父の間に立つ。


 一瞬、助けに入ってくれたのかと希望を抱いたが、それは儚い願いだった。


「これより、当主様とお嬢様の試合を行います」


 彼のセリフが理解できなかった──否、理解したくなかった。


 試合ということは、遙か高みにいる父と剣を交えなければいけないということ。恐怖の権化と認識している相手に斬りかからなくてはならなかった。


 あり得ない。


 体の震えが増す。


 どう斬り込んでも攻撃が当たる描写が想像できなかった。叩きのめされる以外の未来は望めなかった。


 棒立ちになる私だったが、父は悠長に待ってはくれない。


「え?」


 僅かに瞬きをしただけ。その間隙に目の前の父は消え失せ、


「ッァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」


 次の瞬間には、私は激痛によってその場にうずくまっていた。


 激痛の元は竹刀を握っていた両手。すでに得物を取り落としていた手は真っ赤に腫れ上がり、はたから見ても痛々しいことこの上ないだろう。


 痛みで泣け叫ぶ私に、気づかぬうちに隣に立っていた父が無情な言葉を投げかける。


「竹刀を持ち、そして立て。まだ終わっていない」


 当然、痛みに悶える私が反応を示せるはずがなく、父に言われてからしばらく経っても動くことはなかった。


 だが、それを父は許さなかった。最初よりも濃度の高い覇気が放たれ、私は痛みも忘れて震え上がる。


「立て」


 二度目の父のセリフは短かった。次はないと暗に告げていることを理解してしまう。


 私は溢れる涙をそのままに、手から上る激痛に耐えながら、竹刀を握り立ち上がった。


 そこから先は言うまでもない。一方的な暴力が続いた。




 この日以来、私は父に──家族に逆らうことをやめた。桐ヶ谷流の修行は弱音を吐かず続けたし、何かしらの命令が下れば従順にこなしていった。恐怖が、私の根底に染みついてしまったからだ。


 それは勇者になった後も変わらない。どんなに私が強くなろうともトラウマは拭えないし、どれほど自身へ向ける家族らの目が蔑みに満ちていようと逃げ出す気概は湧かなかった。


 私が勇者になったことで、桐ヶ谷の人間からは失望、軽蔑、嘲笑、愚弄といった、あらゆる負の感情を抱かれているのは承知している。あれだけ努力し続けたのに、と悔しく思うことはある。


 しかし、それでも、私は従順であり続けた。それが私の心の均衡を保つ重要なファクターと化してしまっていたゆえに。もはや、進む道を変える段階はすぎ去っていたのだ。








          ○●○●○








 一総かずさを先頭にして迷宮を駆け抜けていた一行は、再び開けた空間に出たところで立ち止まった。一旦休憩を挟んだほうが良いと判断したのと、先程まで発生していた現象について話し合う必要があると考えたためだ。


「センパイ、さっき頭の中に浮かんできたのって……?」


 真実まみが困惑を含んだ声で尋ねてくる。道中での表情の変化で察してはいたが、彼女たちも同じ現象の影響を受けていたようだ。


 先駆者である一総は回答を有していた。彼は周囲の安全を確保してから口を開く。


「あれは記憶だよ。『心の迷宮』の試練とは、試練を課された者に過去を振り返らせ、その中にある瑕疵かしを乗り越えさせるものだ。乗り越え方は人によって異なるが、たいていは今みたいに、当時の感情つきで傷口を掘り返される」


「試練の余波を、私たちも受けたってことかな?」


 つかさの問いかけに、一総は首を縦に振る。あの脳裏に直接イメージを叩き込まれたような現象は、かつて試練に挑戦した時と似たものだった。まず間違いないだろう。


 すると、蒼生あおいがボソリと呟く。


「あれが、ゆきの記憶……」


 澄んだ彼女の声には憐憫、困惑、同情、そして納得の感情が混じり合っていた。


 それはこの場にいる誰もが抱いていたもの。桐ヶ谷の使命に雁字搦がんじがらめに縛られ、誰も──肉親さえも彼女に寄り添わなかった。生まれてからこの方、一度も自由を得られなかった少女へ抱く想いは深い。


 同時に、どうして侑姫ゆきが実家へ逆らわないのか、得心のいく記憶でもあった。幼い頃に植えつけられた恐怖を払拭するのは、なかなかに難しい。それこそ、この世でもっとも強い一総であってもだ。


 侑姫の記憶を思い出したせいで空気が落ち込む中、一総は若干渋い顔をした。


 体験者だから分かる。先の記憶の振り返りは、『心の迷宮』の試練にしては甘いと。自分の受けたものと同一の試練であるなら、もっと残酷に冷徹に容赦なく心をえぐってくる。


 だとすれば、まだ終わっていない・・・・・・・だろう。


 侑姫に課される試練のおおよそを推測した一総は、彼女に攻略ができるか試算する。


「余裕はあまりない、か」


 他の三人には届かない声量の呟き。それが彼の予想がどのようなものかを裏づけていた。


 侑姫の安全を考えると休憩する時間も惜しいのは確かだが、一総だけならともかく、それでは蒼生たちの体力が持たない。どちらを優先するかは言うまでもなかった。


 一総も侑姫には無事でいてもらいたい気持ちはあるし、できるだけの配慮はするが、最悪の展開も想定しておいた方が良さそうだ。


 ある意味で非情な覚悟を決める一総。


 侑姫のことで、ああでもないこうでもないと話し合う三人を見ていると、どうにも自分は汚れ切っていると自虐的になってしまうけれども、こういう心持ちは最低でも一人はしておくべきだ。


 それに、まだ間に合わないと決まったわけではない。最後まで諦めずに走るとしよう。


 思考を終えた一総は「そろそろ先へ進もう」と蒼生たちへ声をかけようとする。


 そんな時だ。この部屋に繋がる通路は一総が通ってきたものを含めて三つあるのだが、そのうちのひとつから音が聞こえてきた。


 人形どもが押し寄せてきたのかと身構える面々だったが、聞こえてくる音は人形のものとは異なっていた。おそらく、人間の足音と予想できる。


 この空間に存在する人間は限定される。つまりそれは、接近してくる者が桐ヶ谷の人間だということ。


 顔を見合わせる四人。その表情には驚きがあった。


 さもありなん。蒼生たちでも苦戦するモンスターが跋扈ばっこする迷宮で、まさか一般人の生存者がいるとは予想外だったのだ。


 一総たちは視線だけで意思疎通を図る。事前に決めた通り、相手が助けを求めるかつ一総が止めなければ、生存者に手を貸す。それ以外の場合は無視だ。


 相手が相手だけに緊張感を持ちつつ、生存者が部屋に姿を現すのを待つ。


 そうして一分後、ついに生き残った者が部屋に入ってきた。


 男女のペアだった。男は精悍な顔つきと鍛え上げられた肉体を持つ老父で、女は強者の気配を内包しつつも色香を湛える美熟女。言うまでもなく、侑姫の祖父である玄道げんどうと母の侑美子ゆみこだった。


 二人は五体満足なものの血みどろで、呼吸も些か荒い。歩きからして重傷は負っていないようだが、それなりに消耗を強いられた模様だ。


 玄道たちの姿を認めた一総たちは警戒を強める。この状況を作った『ブランク』と手を結んでいた桐ヶ谷の一族であり、モンスターが跳梁跋扈ちょうりょうばっこする場所で生き残っているのだ。気を抜く方が難しいというもの。先まで侑姫の記憶を見せられていたのもスパイスになっただろう。


 あちらも一総たちに気がついたようで、露骨に顔をしかめた。それから、眉尻を上げて大声を出す。


「貴様らがここにいるということは、この面妖な場所へわしらを連れ込んだのも貴様らということじゃな! 化物を利用してまで桐ヶ谷を排除しようとするとは、やはり妖者ようじゃは卑怯者の集団じゃ」


「一体、何人の門下生が命を散らしたことか……。この人殺しどもめ!」


 玄道と侑美子の発言を聞いた一総らは、思ってもみなかったセリフに全員が首を傾げた。


 言い分から察するに、彼らは『心の迷宮』のことを知らない風に思える。ここに至って惚ける利点も薄いので、本音だと考えられた。真実の眼も反応していない。


 そうなると疑問なのは、桐ヶ谷と『ブランク』が繋がっていたのは間違いないのに、何故二人が現状を把握していないのか、だ。桐ヶ谷一族である彼らが詳細を知らされていないのは、かなり不自然であった。


 一応、予想は立てられる。今回の計画の全容を知るのが久道くどうのみという可能性。要するに、当主の独断専行。


 あり得ない話ではない。全てをつまびらかにすれば、非難され組織が不安定になると考えるのは当然だし、『心の迷宮』を知っていたら、わざわざ巻き込まれるような行動は起こさないはずだ。


 とはいえ、全面的に相手の言葉を信じるわけにはいかない。ブラフも考慮しつつ、警戒を続けるべきだろう。


 玄道たちの言に、真実が眉根を寄せて反論する。


「なっ! 言いがかりはやめてください。これをやったのは、そちらでしょうが!  『ブランク』なんて犯罪者と手を組んだ上に図々しく罪をなすりつけるなんて、人として恥ずかしくないんですか!」


「儂らがこれをやったと? はっ、バカも休み休みに言うんじゃな」


「そうよ。こんな薄気味悪い現象を起こすのは妖者のオハコじゃない。第一、私たちは門下生に被害を出してる。何の利点もないわ」


「利点がないのは私たちも同じですよ。あのまま放っておいても、あなたたちは牢屋の中だったじゃないですか!」


「それはどうじゃろうなぁ。あの特警とっけいの勧告は偽物だったかもしれん。儂らを動揺させ、ここに連れ込む時間を稼いだんじゃ」


「それを言ったら、あなたたちだって────」


「それよりも!」


 三人の言い合いを遮り、蒼生が大きく響く声を上げた。


 彼女には珍しい行動ゆえに一総たちは注目し、声色に強い意志を感じたゆえに玄道たちは口をつぐむ。


 蒼生は普段通りの無表情のまま、桐ヶ谷の二人へ問うた。


「あなたたちは、さっきの記憶を見たの?」


「ッ」


 誰かが息を呑んだのが分かる。おそらく、真実か司辺りだろう。蒼生が何を訊こうとしているのか理解したからこそ、喫驚きっきょうしたのだと思う。


 対し、質問を投げかけられた者らは、胡乱げな視線を蒼生へ向けた。


「唐突に口を出してきたかと思えば、そんなことか」


「記憶って、先程見せられたものよね? 妖者に答える義理はないけど、まぁいいでしょう。ええ、記憶なら見たわよ」


「あれを見て、あなたたちは何も感じないの?」


 蒼生の瞳に宿っていたのは怒りだった。


 彼女は桐ヶ谷を──侑姫の家族を糾弾しているのだ。あのような仕打ちをして、娘もしくは孫の苦悩を知って、罪悪感のひとつも覚えないのかと問い質しているのだ。他人を思いやれる蒼生らしい問いかけだった。


 二人は言葉を返す。彼らの目に宿ったのもまた、怒りの感情だった。


「何も感じないのかじゃって? 無論、感じたわ。強い怒りをな」


「お義父さまの言う通りです。桐ヶ谷の血を引きながら、あのようなことを考えていただなんて、腹立たしくて仕方ない。ただでさえ、妖者になり果てた出来損ないだというのに」


 玄道たちから紡がれるのは、侑姫への憤りのみ。怨嗟の混じったそれは、決して子や孫に向けて良いものではなかった。


 このような反応は予期していなかったのか、蒼生は呆然としてしまう。横で話を聞いていた真実や司も同様。


 蒼生は震える声で尋ねた。


「自分の娘や孫が苦しんでるのに、それだけ?」

 その問いで、玄道らは彼女の言わんとしていることを察したらしい。「嗚呼」と頷くと共に、白けた目を向けてきた。


「もしや、儂らがあやつに謝罪をするとでも、罪悪感を抱くとでも思うたのか? 甘い考えじゃな。桐ヶ谷は、そのような弱者の思考はせん」


「そもそも、大前提が間違っているわ。“あれ”は桐ヶ谷の血族であって、家族ではないもの」


 家族ではない。その言葉にさらなる衝撃を受ける蒼生だったが、侑美子は構わず続ける。


「“あれ”は生まれた時から桐ヶ谷を途絶えさせないための道具にすぎないの。だから、世間一般でいう娘だの何だのという認識ではないわ」


「妖者となり果てるまでは、それなりに目をかけてはいたが……召喚された際は酷く落胆したものよ。あれ以来、あやつには血を絶やさぬことしか望んでおらぬ」


 初めから愛情などなかったと口にする二人。態度はサッパリしていて、そこに嘘偽りはないように見えた。


 あまりにも常識からかけ離れた言動に、蒼生と真実は背筋を凍らせる。


 異世界で似たような光景を見たことがある司は二人よりマシだったが、それでも不快感を顔に表していた。


 そんな中、最初から眉ひとつ動かしていない一総が言う。


「歴史の長い家の子供に対する扱いなんて、こんなものさ」


「かずさは気づいてたの?」


「おおよそは」


 徹底的な反勇者思想にも関わらず、侑姫を頑なに家から出そうとしない彼らを見ていれば、嫌でもこの展開は予想できた。ここまで極端な考え方をするのは珍しいが、血を絶やさぬことへ重きを置くのは、どこの旧い家でも常識的な思考である。


 まぁ、桐ヶ谷に残っていても侑姫が救われないのは確かなことだ。


 鎮痛な面持ちをする蒼生、真実、司へ、一総は極力明るい調子で言葉を発した。


「先を急ごう。こんな奴らに構ってるより、侑姫本人を目指した方が有意義だ」


 こんな奴ら呼ばわりされ言い返そうとする玄道たちだが、一総が強烈な殺気を叩き込むことで封殺する。肉親の情を一片も持ち合わせていない輩に関わっている時間など、一秒たりとも存在しないのだ。


 一総のセリフを受け、真っ先に立ち直ったのは司だった。ここら辺は経験値の違いだろう。


「一総くんの言う通りだよ! ちゃちゃっと迷宮を攻略して、その後は桐ヶ谷先輩と友好を深めた方が楽しいって」


「そう、ですね。さっさと事件を解決して、平和にまったりしたいです」


「平和が一番」


 司の陽気につられ、残る二人も元気を取り戻した。


 フォローの手助けをしてくれた司に、一総は目で礼を言う。彼女は気にするなと首を振った。


「それじゃあ、行くぞ」


 これまでと同様、一総を先頭に迷宮を駆けていく。


 置き去りにされた玄道と侑美子が何やら叫んでいたが、誰も振り向くことはなかった。

 

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