【そんなこと言われても知らないわよ】

10月21日・くもり


ゆうべ、アタシはシャワーも浴びずにTシャツとボブソンのジーンズ姿で、ざぶとんを枕にして寝た。


朝6時5分頃、電話のベルがひっきりなしに鳴った。


なんやねん…


朝はよから、なんやねん…


電話は、自動的に留守電に変わった。


「もしもし(カレの名前)か…お前、今朝のテレビのニュースをみたか?伊林の婚約者がゆうべ笠岡のマルナカの近くの公園で、若い男のグループにレイプされて亡くなったぞ!!それ聞いた伊林が激怒しとるぞ!!コラ!!お前はオレの声が聞こえんのか!?」


電話は、カレの大学の時の親友からであった。


ブチ切れたアタシは、受話器をあげて電話の向こう側の男性を怒鳴りつけたった。


「もしもし…あんた誰よ!?」

「誰って…ぼくは…(カレの名前)の大学の時の親友ですが…あなたは…」

「アタシィ~アタシは(カレの名前)の婚約者よ!!」

「えっ?」


アタシは、より強烈な声で怒鳴りつけた。


「あんたね!!明け方の眠い時間帯にくだらん電話をかけてくるな!!」


(ガチャーン!!)


受話器をガチャーンと置いたアタシは、ほがそ(ボサボサ)の髪の毛を右手で思い切りかきむしりながらイライラした。


キーッ!!


何なのよ一体もう!!

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