一週間の監禁


「虚偽申請に」

「人体を使った術式拡張」

「その他諸々含めて」

「罰金七億二千万及び階級の二段降格」

「これくらいが妥当でしょうねぇ」


「ふん」

「生憎其処までの金は持ち合わせて無いよ」

「おい、お前ら」

「士柄武物を出してやりな」

「別にこれでも良いだろう?」

「お前さん所の上司は士柄武物を蒐集するのが趣味らしいからね」

「……それが無理だと言うのならば」

「せめて資金を作る為の時間を寄越すんだね」

「如何に血も涙も無い懲罰委員会だろうとも」

「無理矢理お金を奪い取る様なせせこましい人間らじゃないだろう?」


「………はいはい」

「これで良いですよー」

「全ての士柄武物の鑑定が終わり次第」

「罰則金を支払ったと言う事にします」


「それと」

「これは個人的ではあるがね」

「お前さんの為に士柄武物を用意した」

「これでどうか降格の方を取り消して欲しい」


「あー、それは無理ですねー」

「最低限の譲歩がこの条件なので」

「それ以上を望むと言うのなら」

「他の罰を受けて貰う事になりますがー?」


(クソイヌめが)

(足元を見やがったね)

(けどまあ良いさね)

(階級の二段階降格は予想外だったが……)

(早々に撤収して貰い)

(〈ソノコ〉を手に入れる状態にしなければ)


「それではー……一週間の間」

「宜しくお願いしますねー?」


「……ん?なんだい?」


「あれー?言ってませんでしたかー?」

「一応はー、罰則金が支払われるまで」

「保留状態になるんですよー」

「だからー、士柄武物の鑑定が終わってー」

「お金に代わって、それが委員会に入るまではー」

「贄波家は現状監視状態を維持してー」

「贄波陽枝さんはー、拘束状態になるんですよー」


「ッ」


「なのでー、私たちは家に居ますのでー」

「一週間、宜しくお願いしますねー?」

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