おばあちゃん襲来


「ゴ、ドウジュ、ザバ」

「ゴドウジュ、ザバァ」


「ふん、附叢磨かい?」

「贄波家の術式を使ったのかい?」


「ワ、ダジ、ボ」

「ヴァダヂヲ、ドウヴァ」

「ド、リゴンデグダッザッ」


「……誰が」

「負けたお前なぞ要らんよ」

「贄波家に値しない愚か者め」

「お前なんぞに」

「術式を教えた事が煩わしい」


「ゾ、ンナ、ゴドヴ、ジュジャバッ」


「まあ、お前如き」

「ワシの術式の餌にしてやろう」

「さあ、食らうと良い」

「〈ソノコ〉」


「グギュブ、ヴァギャッ、ガッ!」


「……おぉ、良い食いっぷりだねぇ」

「お前は良い子だ」

「流石は、我が息子さね」


「ッ、お、お婆さまッ」

「っ、お父様、まで……」


「ん?あぁ、悪かったねぇ」

「お前の事を差し置いて」

「先に使えないクズを掃除してしまってねぇ」


「そんな、事は、どうでも良いッ」

「なん、で、それ、その術式は」

「〈ソノコ〉、は………ッ」

「私の元、従士の名前、なのにッ」

「何故、その男も」

「お婆様もッ!」

「それを、使えるのですかッ!?」


「……あぁ、そうさねぇ」

「ふふ、璃々や」

「〈ソノコ〉は人の名前じゃない」

「術式の名前さ」

「疎外の幼児と書いて」

「〈疎児ソノコ〉」


「ッ、な、なんで………」

「ぐッ……あ、たまが、ッ」


「そろそろ封印も解ける時さねぇ」

「それもそうか」

「お前が〈ソノコ〉との繋がりを失ったから」

「契りも意味を成さなくなった」

「ならば」

「その記憶が蘇るのも無理は無い」


「な、にがッ……ぐ、あ、ああッ!」


「ッ、お嬢様ッ」


「なんだァこりゃッ」

「おい、大丈夫か、お嬢ッ!」


「ふん……何やら人が大勢だねぇ」

「〈ソノコ〉……いや、金杖きんじょう

「そして、阿羅や」

「その二人を足止めしな」


「ッ」


「なにしやがるッ」

「おい、贄波のオッサンッ!」


「黙れ」

「お前には」

「関係の無い話だ」


「さて、それじゃあ璃々や」

「お前の話を始めよう」

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