同じ士柄武物遣い

 

(あいつの持つ士柄武物)

(なんだっけか)

(そうだ、隻蘇ッつうんだ)

(再生能力を持つ士柄武物)

(野郎、俺を品定めしてやがんな)


(奴の士柄武物)

(火花が出るな)

(炎を扱う士柄武物か)

(踏み込みが甘い)

(洞孔は其処まで展開されてないと見る)


「盛れやッ!」


(ッ火花が神胤に燃え移った)

(やはり奴の士柄武物は)

(炎を操る士柄武物で確定かッ)

(ならば対処法も簡単だ)

(一定の距離を取り、適した士柄武物で叩く)


「ッ」


「〈暗器〉」


(ありゃ)

(照さんや旭がやってた禪域)

(ならあんな太刀が出てきたのも頷けるわ)

(暗器持ちは複数の士柄武物を扱う)

(距離を取って様子見しねぇと)


「咬み切れ―――鮫喰みずちのはッ!」


(刀身が伸びやがったッ!)

(いやそれよりもッコイツ闊をッ)

「がッはッ!」


「………士柄武物とは」

「ただ扱うだけでは真に使いこなすとは言い難い」

「闊を得て一人前の士柄武物遣いだ」

「俺は持ち得る士柄武物、全て闊を体得している」

「見た所、闊を発現させたのは最近なのだろう」

「貴様と俺とでは、士柄武物の理解度が違う」


「……で?」

「自慢話かよ」

「言っとくけどよ」

「どれ程一人前でも」

「死んだら意味ねぇよ」

「つまり分かるか?」

「テメェの人生無駄に終わったな」

「可哀そうによ」


「……無駄口だけは一人前だな」


「言い返せないテメェは半人前以下だバーカ」

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