任務決行作戦結構


「………遅い」

「何をしているのだ」

「結構開始から既に一時間が経過」

「教師陣が全員戻るのは十二時までと聞いている……」

「しかし、生徒が戻るかどうかは不明」

「贄波璃々と言う女は」

「時間に律儀であるのではないのか?」

「………まさか」

「何かしら事故にあったのか?」

「俺たちが手に掛けるよりも前に?」

「クソ、なんという事だ」

「一応は、附叢磨が確認しているが……」

「しかしそう考えれば……」

「瑞が戻るのも遅い気がする……」

「界守綴と相手をしているとは言え」

「此処まで時間が掛かるものか?」

「……まさか」

「負けたのか?」

「………クソ、なんという事だ」

「陽枝様に顔向け出来ないではないか」

「私はどのような事であろうとも」

「陽枝様の為に任務を遂行してきた男だぞッ」

「急いで贄波璃々の動向を再確認しなければ」


「………あ?」

「なんだオッサン」

「此処職員室じゃねぇぞ」

「生徒が使う教室なんすけど」


「…………」

「最悪だ」

「遂に生徒と出会ってしまった」

「本来、私はこの学園に存在しない体で居る」

「いうなれば部外者」

「言うなれば侵入者に他ならない」

「最低だな」

「確実に、任務は完璧に遂行出来ない」

「陽枝様に、見捨てられてしまう」


「……なんだよオッサン」

「独り言が多いなこの人……」

「まあいいや」

「取り合えず……ったく」

「駕与丁先生、何処行ったんだよ」


「………仕方が無い」

「殺すか」


「あ?」

「ッ!」


「な、なんだテメェッ!」

「急に士柄武物を出しやがって!!」

「殺す気かァ!」


「……流石はこの学園の生徒」

「俺の奇襲すら避けるか」

「任務遂行の為」

「目撃者は零でなければならない」


「なんだテメェ」

「ぶつくさ言いやがってよォ!」


「無駄な事は言わない」

「ただ殺す」

「我が任務を完遂する為に」

「贄となり、糧となれ」


「はぁ!?」

「冗談言ってんじゃねぇぞ!!」

「贄も糧もなるかボケェ!」

「テメェこそ俺の贄と糧の後の糞になりやがれェ!!」

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