責めるよ

 

「いや、俺も悪いとは思うよ?」

「お嬢が全裸で徘徊する事を考慮してなかった」

「俺が悪かったんだもんなぁ?」


「……いえ、貴方は別に」

「わるく……」


「いやいや」

「お嬢は悪く無い」

「俺が両目潰してたらこんな事にはならなかったしなぁ」

「あ?なんなら今両目潰そうか?」


「いや、本当、悪かったわ……」

「そう、つい、家と勘違いしてしまったの……」


「はぁ!?」

「お嬢なぁ、ウソ吐いてんじゃねぇよ!」


「う、ウソなんて吐いてないものっ!」


「じゃあアレか!?」

「お嬢は寝るときは服脱ぐ派とでも言いたいのかぁ!?」


「っ……え、えぇ」

「そうよ……私、服、着てると……」

「眠れないの……」


「はァん!?どうだかァ」

「なあ界守さんッ!お嬢の言ってる事本当かぁ!?」


「えぇ、本当です」


「え、マジかよ」

「………」


「今、今だけ」

「私の体を、想像しても、構わないわ」


「まあまあ、八峡さん」

「贄波さんには贄波さんの事情がありますのでっ」

「そう責めないであげて下さい」


「夜々さんがそう言うのなら……」

「まあ、俺で良かったな」

「あと、夜々さんが近くに居て良かったな」

「俺と夜々さん以外だったら」

「襲われてたぞ」


「それは同意ですね」


「っ……気を付けるわ」

「………は、話は変わるけれど」


「あ?なんだよ」


「今日は何をしに来たのかしら?」


「あ?あぁ」

「俺ァ今日任務だからよ」

「こっちで休んで任務に当たろうと思って」

「朝っぱらだし、丁度夜々さんが居たもんで」


「はいっ!お腹が空いてないか聞きましてっ」

「おにぎりを作ってた所なのですよっ!」


「へぇ……え?」

「八峡、今日、任務があるの?」


「あ?あぁ」

「任務、するぞ」


「……今夜は」

「私も同じ様に」

「任務があるのだけれど……」

「まさか………」


「あ?まさか」

「同じ任務ゥ?」

「まっさかァ」

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