阿羅賛美
「贄波先生は素晴らしい」
「贄波先生は美しい」
「贄波先生のナイフ捌きは見た事ありますか?」
「あれは人間の急所に対して的確に致命傷を与え」
「且つ防御に関しては太極拳を思わせる円の動きを見せてくれるんです」
「人間を殺すだけに特化された人間」
「懲罰委員会の前線にて戦って来た………」
「瞳を瞑るだけでも……」
「あの殺戮奇人の姿が目に浮かんできます……」
「…………」
「はぁ……素晴らしい」
「あのワインの様に芳醇な血の香りを纏う贄波阿羅先生の血に浴びた血の気の失せた表情は誰よりも何よりも美しく繊細で居て狡猾に且つ全能感に溢れてます、ぁ、あぁああああああああああああッ!また、またお手合わせを願えないでしょうかぁ!」
(この女)
(色々と危ないわ)
(もう帰りましょうか……)
「……ふゥ」
「で、私は贄波先生を憧憬しています」
「黒輩に至る条件は」
「贄波先生を尊敬している事です」
「私は何度も何度も心が折れそうで」
「実際に折れてしまいましたが」
「それでも贄波先生を想像して」
「贄波先生の様になりたいと願うと」
「自然とこの様に、黒輩に入る事が出来ます」
(まあ)
(私の欲した回答ね)
(つまりは)
(お父様の下で訓練をした者は)
(その力を得やすくなる)
(それが〈
(一応は)
(八峡も条件が整っているわ……)
(お父様の下で訓練を積み重ねて……)
(多分だけど、契りも行っている……)
(けど……決定的な)
(憧憬がない……)
(残念ね……)
(もしも出来れば)
(八峡義弥にとって)
(新しい価値に成り得たかも知れないのに)
「やはり贄波先生の強さは」
「相手を見抜き、冷静に対処する観察眼」
「ゆるやかに殺意を発揮させる静寂の殺意」
「人間相手であれば対人戦最強と言う称号は過言ではないと言えるでしょう」
「それに―――」
(この話……)
(何時まで続くのかしら)
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