家宅侵入
(阿野……あのって読むか)
(まさかこの家に?)
(生活感あんな)
「あ、俺はこの辺で良いですかね?」
「まあまあ」
「もうちょっと付き合えよ」
「ほら」
「扉を代わりに開けてくれよ、な?」
「あの、中に入るんですか?」
「あぁ、先に入ってくれよ」
「グングンと、奥に進んでくれ」
「あの」
「扉、閉まってるんですけど」
「蹴破れ」
「す、すいません」
「力が抜けて」
「足が上がらないです」
(チッ)
「仕方ねぇな」
(硬ッ)
(なんだこの扉)
(ビクともしねぇぞッ)
「あの、どうしたんですか?」
「おらよッ」
「あえ?」
「あ、ぎぎゅぼッ」
「ぐ、おッ!」
「おッ」
「ぐるるるる………」
「オラァッ」
「しゃッ」
「ぎ、がッあああああああああッ!!」
「クソッ、この犬風情がッ」
「人間様に、ぎ、ぃッ、た、あがッ」
「立て、突いてんじゃ、はッあッ」
「ね、ぎぃ……ぐッあああああ」
「盾突いてんじゃ、ねぇぁあああああ!!」
「がッ、あッ畜生ッ」
「クソ、この、クソ犬がッ」
「は、あッ」
「っチ」
「あぁ……クソッがッ」
「ぐッ……ひッ、がッ」
「は……あぁッ……ッ」
「すいませーん」
「大丈夫ですかー?」
「あ?クソッ」
「誰だ、こんな、時っ?!」
「凶器ッ凶器ッ」
「押さえろッ抑えろッ」
「がッ」
「なにッ!しやがッ」
「手錠お願いしますッ」
「現行犯、逮捕ッ何時?何時だッ」
「13時15分ッ15分ッ」
「よし、立てッ!」
「くそッなんだよッ」
「俺が何した、あッぐ」
「男が居ます」
「脈は」
「死んでるだろ」
「でも一応だ、測っとけ」
「犬が二匹」
「死んでます」
「なんだよッ」
「なんなんだよッ」
「ウルッッさいッ!」
「黙れッ!」
(クソッ)
(なんなんだよッ)
「……」
「おい」
「お前何歳だ?」
「んだよ……十六だよ」
「人生を棒に振ったな」
「もう人並みに生きる事は出来んぞ」
「人殺しはな」
「世間様は決して許しはしない」
「恨みだの妬みだの」
「くだらん理由でお前は」
「一生日陰者として生きていくんだ」
「それを噛み締めろ」
「刑事ドラマの見過ぎだぞオッサン」
「分相応な台詞は」
「分相応な階級に就いてから言えや」
「人殺しが偉そうにするな」
「最底辺のクズがッ」
(クズ?)
(言われなくても知ってるっつうの)
(嫌って程によぉ)
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