股間の痛み

「………」

「ぁ?……なべ、?」


「目が覚めたか」

「お前も幸運な奴だな」

 

「………」



「……あ?」

「……が、ァっ」

「ち、痛ェ、あぎッ」

「な、んだ……こりゃッ」

「俺の、な、ナニッ」

「ナニになんッなんだッ」

「なん、だこりゃァ!」

「俺のナニに何かが入ってやがッ、あッ!」

「んだッ、こ、りゃァ!!?」


「カーテルだ」


「かーッ、あ!?」

「なんだそ、ぎひッ?!」

「なんだッ、そりゃ!!」


「カーテル」

「ようするに」

「柔らかい管だ」


「はぁ!?あ、がッ痛ッ」

「痛てッ、抜け、抜けこんなもんッ!」


「勝手に抜こうとするな」

「尿道を傷つけるぞ」


「なんの為にこんなのッ」

「が、あッ!」


「お前の体は昏睡状態であり」

「下半身が弛緩していた」

「だからおむつよりも」

「直接膀胱から小水を抜き取った方が良い」

「そう判断しただけだ」


「クソッ!こんな、痛みッ」

「聞いて、ねぇッ」


「聞かれなかったからな」

「だがどちらにしろ」

「まだカーテルは抜けないぞ」

「お前」

「体が自由に動かせないだろ」

「四か月も眠っていたんだ」

「筋力は低下している」

「自力でトイレに行けるのならば」

「カーテルは抜いてやってもいい」


「なッ、ぐ………あぁ!」


「……決まりだな」




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る