無価値の救い


「オッネエヂャ!」

「ダベデヴィイイ!?」


「齧っても良いけれど」

「食べちゃダメよ」

「石なんて」

「消化に悪いもの」


「ダヴェエ!ルッネェェエエエ!!」


「………」

「少し」

「言い過ぎたかしら?」

「……あれで」

「自暴自棄になったりしたら……」

「……いいえ」

「考えなくても良いわ」

「そこまで」

「面倒を見る必要はない」

「だから」

「彼の事を考えるのも」

「これで終わり……」

「そう、終わりなんだから……」

「…………」

「あぁ、もうッ」

「居ても居なくても」

「煩わしいわッ」

「あの男ッ」


「ッ―――」


「ッ!」

「な、貴方」

「八峡、まだ居たの?」

「私の言った事」

「理解できてたのかしら?」


「……あぁ」


「オ、ネエジャッ!」

「アヴゥナヴィィィィイッ!!」


「ちょッ!ソノコッ!」

「彼に攻撃でもするつもりッ!?」

「駄目よ、止まりなさいッ!」


「グ、ヴウゥウゥゥゥウウッ!!」


「え?なに……うし、ろ?」

「あ……」

「これ、これッ、はッ」

「厭穢の、腕ッ」

「そんなッ」

「幽世に落とされるッ?!」

「ソノコが警戒した、のは」

「八峡じゃなくて」

「後ろの厭穢だった……ッ」

「まずい……ソノコッ」

「間に、合わな―――ッ」



「―――あぁ」

「そうさ」

「これが―――」

「―――俺の価値だ」


「―――え?」

「私の腕、掴んで」

「八峡……貴方、どうして」

「………八峡が」

「私の代わりに……」

「幽世に落ちた………」

「………な、なにッ」

「何、救った気にッ」

「ッ―――ッ!」

「ソノコッ!!」


「ヴアァアアアァァ!!」


「移動するわ」

「結界師の元へッ今すぐにッ!」

「私たちも幽世に行くわよ」

「ッあの男……」

「私に借りを作らせるだなんてッ!!」

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