禍憑姫/輪廻始動

彼女の口調も悪いと思います

「………」

「別に関係ないわ」

「他の祓ヰ師ならきっと」

「そう言って切り捨てる」

「けれど」

「私の中に居る祓ヰ師は」

「それを望まないのでしょうね」

「……あぁ、もう」

「あの男は本当に」

「八峡義弥と言う人間は、本当に」

「煩わしいわ」

「が、はッ！」

「く、あぁあああッ！」

「死ねェ！死ねェ！！」

「俺、お、をれおッ」

「無価値、なんて」

「言いやがってッ」

「全部ぶっ殺してッ」

「証明、してやらァ！！」

「がッ―――や、べッ」

「体が、動かなッ」

「だめ、だッ」

「あ、し、死……」

「本当に、……本ッ当に」

「貴方と言う人間は」

「不快よ」

「………あ？」

「は、な、んだ……」

「………ッ」

「て、メェ」

「なあに？」

「私に何か用かしら？」

「偶然ね」

「私も貴方に用があったの」

「あ！？」

「不愉快、邪魔、消えて」

「貴方が居たところで」

「戦った所で」

「どうせ死ぬんだから」

「無駄な犠牲を出す前に」

「さっさと車に戻れと」

「そう言ってるのよ？」

「なッはッ！」

「なんだ、とッテメェッ！！」

「か、ってに手ェ！」

「出し、いッて……」

「……ほら」

「無理よ」

「ここに来る前に」

「貴方は既に傷だらけで」

「任務に臨める様な姿じゃなかったわ」

「だから」

「戻れと言ってるの」

「これは命令だから」

「そんな状態で」

「命の保証なんて無いと思いなさい」

「――――ッ」

「ざけんなァ！」

「俺に、命令すんじゃねぇッ！」

「………はぁ」

「なに？」

「言いたい事があるのなら」

「今、私の保護下の前で」

「言ってみなさいな」