乱心自殺道まっしぐら


「ねえ、貴方」

「八峡、義弥」

「あなた」

「自分が場違いだって」

「わかってるのかしら?」


「………」


「……声、聞こえてるかしら?」

「ねえ、八峡義弥」


「……ッ、す」


「?なに、良く聞こえないのだけれど」

「貴方は今、なんて言ったのかしら?」


「ころ、す……こ、ろす」


「殺す?」


「ころ、してやる」

「全部、ぜんっぶ」

「もう、誰も」

「おれ、を、むか」

「無価値、だなんて」

「言わせねぇ……」


「ッ、なに、この気迫……」


「殺してやる……」

「殺し、こ、ッろし」

「殺して、やるッ、殺しッ」


「あ、ちょっとッ!」


「フン、あいつ」

「死んだな」

「無駄死にだ」


「ちょっと」

「どうするのよ」

「あの男」

「放って置いたら」

「死んでしまうわ」

「相手はそれ程に」

「私と」

「東院」

「この二人が駆り出される程なんだから」


「別に構わんだろう」


「え?」


「所詮は他人」

「俺や貴様に」

「何の不都合がある?」

「たかが一人」

「雑魚が死ぬだけだ」

「そうだろう?」


「……ッ」

「えぇ、えぇ、そうね」

「そう……普通の」

「祓ヰ師なら、そう思うでしょうね」

「……私は、祓ヰ師」

「だから」

「えぇ、関係無いわ」


「決まりだな」

「俺は行くぞ」

「手始めに」

「西の入り口から片っ端に」

「殺していく」


「そう」

「なら私は裏口から」

「やっていく事にするわ」


「俺より多く殺すなよ」


「それは貴方の働き次第でしょうに」

「当然ながら」

「貴方だって、関係ない存在よ」

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