第69話 美しき思いでは、幻想か欲望か

 ロウラ様の呼び出しで、俺は久しぶりに3年間暮らした公爵邸に戻って来た。


「オクク、戻って来たのね…………待っていたわ~~!!」


ロウラ様が抱き着いてきた、


おお~~~~!!


凄い匂い? 


女の匂い?


まるで、匂い立つような淫靡で妖美なロウラ様がお出迎えしてくれた。


母さんと、同じくらいの年のロウラ様に抱き着かれ、頭がクラクラしてくる。


「ああ~~、私が美少年系の趣味なら、良かったのに~~~ こんなに、美味しそうなオククを食べられないなんて~~~!!」


え、ロウラ様も魔人?


「ああ、私はね こう美青年系が趣味なの、ごめんね オクク~~~!!」


よよと泣き崩れるロウラ様


いや、そんな趣味をカミングアウトされても、困りますし、食べる食べないと考えないでください。


「でねでね、出来たのよ!!」


おお、立ち直りが早いよロウラ様


もうちょと、この芝居が続くのかと思ってましたが……


そして、ロウラ様と手を繋ぎスキップして工房に向かう、ナニコレ!!



 そこには、


伝説の美神 国落としのアポローンもかくやの立像が


「これね、うちの旦那の若い頃をイメージして作り上げたの」


え、


たしか、公爵家の当主 ロウラ様の旦那さまは、公爵邸の離れで暮らされていて 毎日に日向ぼっこを楽しみ 趣味の庭園の花の手入れされてる方ですよね。


あの庭師のような、平凡で温和な顔だったはずだが……若い頃は、こんな美青年だったのか~~~


「旦那様と初めて会ったのは、私が15歳 あの人は37歳だったかな~~ たぶん あと10年若かったら、こんな感じだったとイメージしたのよ」


あ~~~、たぶん それ もう 別人です。


怖いから言わないけど…………


「で、この像を あなたの異能でゴーレムにして欲しいの!!」


あ、やっぱり それが目的だったのですか そうだろうとは思ってましたが。


やっぱり、どこかで踏み止まって欲しかったな……


ロウラ様を見ると、期待と興奮で少女のように頬を赤く火照らせて、鼻息が荒い 目もキラキラしてる。


あ~~~ 断れないよね。


後ろにいる、アスカをチラッと見ると普通の感じだ、特に問題を感じていないのだろう。



 俺はそのアポローンの立像を見る


「あの、股間の物は~~~?」


おおおおお、股間に棍棒がついてますよ。


いや、大人になると棍棒になるのか、じっと自分の股間を見る。


「え、え、え~と 大人は棍棒なのよ」


そうなのか、これから育つのかな


「それと、棍棒は通常は小さく柔らかく、そして刺激があれば固く固く固くそして固く その姿になるようにお願いね」


固くが多い、そこ大事なの?


「えと、刺激とは、どんな刺激ですか」


もう、体中から冷たい汗が止まらない、寒い寒い 寒いのに汗がでる 冷たい汗が こんなの初めて~~~!!


「ああ、オククちゃん 私の異能知らなかったわよね」


ロウラ様の顔が……狂気のエロ顔になった。



 






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