第47話 家畜

 そして、4重魔法陣発動後から3年後の10歳の今


やっと俺は父に認められた。


長期遠征の狩りに向け、俺は3重魔法陣のゴーレムを作り出す。


1日 2体が作れるが限界だし、維持できるのは50体が限界だ


3重魔法陣のゴーレムは、ある程度作ってから時間がたつと壊れて動かなくなる、作ってからだいたい30日で壊れてしまうようだ。


毎日 古いのから2体壊して、新しいのを2体作り直している。


師匠ゴーレムは、5重魔法陣のゴーレムの為なのか、劣化は今の所なく、日々せっせと薬の調合を続けてくれている。




 とうとう、遠征の日がやって来た。


父と母、村の戦士達300人と俺のゴーレム50体が村を出発した。


少数だが、今回も戦士が村の防衛の為に残ってくれている。


師匠ゴーレムは、村に残った。 父は俺が師匠ゴーレムは今のところは、自発的には作れないと知り、薬の作れるゴーレムの貴重さを考え残すことにしたようだ。


2日後には、ゴーレム2体が素材を持って帰って来た、予定通り帰って来たゴーレム2体を壊し、新しいゴーレム作り食料など持たせ また 父達の元に送り出す予定だ。


ゴーレム達は、魔物に襲われる事は基本的に無いが、やはり攻撃したり魔物の行動を邪魔すると攻撃対象になる。


まあ、魔物も食べる事の出来ないゴーレムを襲っても仕方ないからなのだろう。



 さて、ゴーレムを作って 食料っ持たせて送り出さないと。


「オクク、こっち!!」


いきなり、師匠ゴーレムが手を掴んで俺を引きずっていく。


師匠と俺の家の地下に連れてこられた。


ここは、ゴーレムに掘らせた地下道のような倉庫、入り口から5m程の小さな倉庫


アスカ師匠が薬の材料と少量の食料が保管されている。


奥まで連れて来られると、師匠ゴーレムが地下道を掘りだした。


「オクク、まだ ゴーレム作ってないよね」


「ああ、いまから作ろうとしてたから、まだだよ」


「じゃ、すぐに作って」


どうしたんだ、焦ったような師匠ゴーレムの言葉


「ああ、いいけど ゴーレム クリエイト」


3重魔法陣のが現れ、一体のゴーレムを作り出す。


「もう、一体も すぐに作って」


「ええ」


一日2体作れるけど、休憩無しは辛いんだけど


「はやく!!」


「どうしたんだよ? ふ~ ゴーレム クリエイト」


どうしたんだ、言葉がきつい まるで 本物のアスカ師匠のようだ。


2体を連続で作った事で、魔力が底をつき倦怠感が体を包む 


俺は耐えられずにその場に座り込む、師匠ゴーレムに話しかけようとすると。


2体の3重魔法陣ゴーレムが猛烈な勢いで師匠ゴーレムに変わって穴を掘りだす。


師匠ゴーレムはその掘り出された土を抱えて入り口に持って行き、入り口を塞ぎ始めた。



「アスカ、一体どうしたんだ!!」



本当のアスカ師匠のような言動をする師匠ゴーレムにアスカと叫んでしまった、さすがに師匠と敬称をつけるのは心がブレーキをかけたが。


アスカは、土を運ぶの止めて 俺に語り掛けた


「…………家畜達よ…………その、役目は終わった…………もう、飼う必要は無くなった…………王国…………と、契約が成立した…………だから、家畜は全て…………屠殺する…………全て、宴に捧げられる…………」


意味不明の継ぎ接ぎの言葉を漏らした


そして、多数のゴーレムとの繋がりが切れたと感じた。


父や母 村の戦士に同行しているゴーレムとの繋がりが無くなった、ゴーレム達が壊れたのだ。


「え!!」


アスカは、また土を運ぶ入り口は、どんどん狭くなっていく。


その狭くなった入り口から、叫び声と悲鳴が聞こえてきた。





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