オククの立身出世編 ポンコツロード
第43話 ゴミ箱の少女
王都の貴族街に一軒の会員制高級料理店があり、凄く美味しいとの都市伝説がある。
俺は、どうしても どんな味でどんな素材を使った料理なのか知りたくてたまらなかった。
その店の入り口は豪華で警備員が複数配置されていて、俺みたいな貧乏学生には近づくことさえ出来なさそうだ。
その店に入る貴族と思われる者達は、ほとんどが顔パス、顔パスで駄目な少数の者だけが警備員に会員証を提示して入店している。
もちろん、そんな事は事前に知っていた俺は、店の裏に廻る。
店の裏には予想どうり、ゴミ捨て場があった。
そろりそろりと、巨大なゴミ箱に近ずく。
そのゴミ箱の中には、この店の美味しさの秘密が隠され、今 俺に暴かれれるの待っている。
ゴミ箱の中には、料理の素材の欠片 使われなかった部位など そして 食べ残しも入っているだろう。
このゴミ箱は、宝箱です。
ゆっくりと、ゴミ箱の蓋をずらいしていく期待に胸をバクバクさせ、口元には溢れ出る涎とともに。
はい、外れでした。
ここは、魔人系美食倶楽部だったようです。
ゴミ箱の中は、ぐちゃぐちゃな人の死体や部位が詰まってました。
そっと蓋を閉め、見なかった事にしようとしたら、こちらを見つめる瞳が。
大きな瞳が涙目で俺を見てきた。
その瞳の持ち主は、見た感じ少女のようだ、顔の鼻から下がごっそり切り取られているので確証は無いが、うん 鼻から下切り取って舌料理の材料にされたかな?
身体は、ほかのぐちゃぐちゃの死体に半分埋もれてますが、見える範囲では、その他の部位もかなり取られて料理の材料になったようだ。
よく、まだ生きてるなと素直に感じた。
理由はわかる、異能 在命 だろうな。
異能 在命 これは、死ににくくなる異能だ
出血の低下、停止 生命維持器官の防御力上昇など異能のレベルで各能力が上昇するが、傷が早く治ったりはしなし、失った体の部位が再生することも無い。
その為、この異能を持つ兵士が戦場で生き残っている、半身を失っていたり 体中が焼け焦げていたりした状態でも、だから この異能は世間によく知られる異能となっている。
ただ、死ににくいだけの異能だ、最終的には長い苦痛の中で死んでいく、そんな悲しい異能だ。
俺は、食べられる食べ残しが有れば回収しようと思い、持ってきた大きな袋に在命の異能を持った少女の髪を掴み袋に入れた。
少女の右手には、小さな手が繋がれていた、こんな状態でも離さないのだから大切の者の手なのだろう、だけど手首から先は無いので その小さな手の持ち主を確かめるすべは俺には無かった。
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