1月6日 白井冬至朗の日記
とりあえずできることは、アオにそれとなく探りを入れることだ。誰かに恨みを買われていないかを調べよう。でも、誰がアオを刺そうとするほど強いマイナスの感情を抱くんだ。アオはいいやつだ。いや、いいやつだからこそということもある。顔もいいし優しいからもてる。勘違いしたやつの逆恨み、振られたやつの暴走。恋愛のいざこざなら、アオを刺す動機には充分なりうる。そして、これくらいしか思いつかない。こっち方面だと探りを入れるのも難しい。なんか誤解されても困る。そもそも、好きな人だの、タイプだの、過去も含めて恋愛話をするようなやつじゃない。とにかくやつの周囲に目を光らせよう。刃物持ちだして刺すなんてよっぽどだ。そこにいたるまでにアオへの恨みつらみをじゅく成させているはずだ。だとしたら、現段階でもなにかアクションを起こしているかもしれない。脅迫メールを送ったり、そこまでわかりやすくなくてもなにかしらの攻撃をしていたりする可能性はある。まぁ今日、大勝負に出て失敗し、しばらく息をひそめてほとぼりさめたのが月末みたいな可能性も考えられるが、さすがにそんなことはないだろう。逆に言えば、31日まではアオは安全なのだ。あまり焦ってアオに変な疑いをもたれないようにしよう。そういう意味じゃ、今日は勇み足もいいところだ。アパートにいなかったならいいんだが。
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