登場人物紹介(第八章)

第八章での新規登場人物の紹介です。


★★★★★★★


・ジェレミー

元ランセル王国軍士官。現アールクヴィスト領軍士官。登場時点で二十代半ば。

カドネ国王の親征部隊の一員としてベゼル大森林内の偵察を行っていたところ、見回り中のラドレーの隊と遭遇し、捕らえられた。

カドネの圧政の影響で妻と生まれたばかりの娘を失うという経験をしており、カドネへの憎しみを自覚し、ランセル王国を捨ててノエインの下につくことになる。

その後、働きを以てノエインへの忠誠を示し、周囲に認められて正式にアールクヴィスト領軍の一員となった。

あまり気が強い方ではないが、性格は真面目で素直。国境を接するランセル王国北東部にある程度詳しい貴重な人材。


・スノッリ・スケッギャソン侯爵

ロードベルク王国内務大臣。現時点で60代。

優秀な文官を輩出する名家として知られる宮廷貴族家の現当主。先代国王の時代から王国の内政をまとめ上げてきたベテラン中のベテラン。

職務柄、やや保守的で慎重なきらいがあるため、貴族社会でも異質な存在感を放つノエインに対して少し警戒心を抱いている。一方で、数字を見て判断を下す現実主義者でもあるので、ノエインの領地発展構想そのものは問題ないと認めた。




・カドネ・ランセル1世

ランセル王国の第3代国王。先代国王の三男で、長兄と次兄を暗殺して王位を簒奪した。

領土的野心が強く、武家貴族による軍閥を後ろ盾としたことで、反対派を抑えつつ確かな権勢を誇ってきた。

南部国境を囮にベゼル大森林に道を通すという策はロードベルク王国側からも「悔しいがいい手だった」と評されるなど、戦略家としての才能は敵味方から認められている。さらに、自ら前線に立つ度胸も持つなど、軍事国家の王としてはそれなりに有能。

民の生活や社会の安定を省みず戦争に執心しているせいで非軍閥貴族や人民からの評価は絶望的に低く、暴君扱いされているが、逆に軍閥貴族からは大きな支持を集めてきた。

しかし、二年前の南部国境の大戦で負けた上に、ベゼル大森林を越えての親征も失敗し、自身も「天使の蜜」の原液を受けて両足に麻痺を抱える身となっため、現在は急速に求心力を失いつつある。


・エヴァルド・ロットフェルト伯爵

ランセル王国の軍閥貴族の中でも中心的な立場にいた大貴族の一人。

武家の名門の当主であり、自身も有能な将軍としてランセル王国内で高い評価を集めてきた。堅実な用兵を基本としつつ、状況を見て大胆な指示を下すこともある。

自身に戦術家としての経験が足りないと考えるカドネによって戦場での指揮を任されており、親征でもカドネの参謀(実質的な指揮官)を務めていた。

先代と先々代国王の穏健路線に不満を抱いていた軍閥貴族をまとめ上げ、戦争を始めたカドネに高い忠誠心を持っていた。

ベゼルの戦いで戦死。


・タジネット子爵

ランセル王国の軍閥貴族の中でも若手有望株として知られる一人。

若くして家督を継いだ女性当主で、水魔法の優れた才を持っている。若さ故に経験不足な部分もあるが才能のある将であることには違いなく、軍閥によるプロパガンダも込みで国内では「女傑」と評されている。

エヴァルド・ロットフェルト伯爵よりも一世代若く、ランセル王国建国前の戦乱の時代を知る世代(タジネットから見ると曽祖父の世代)から直接話を聞いていないこともあり、戦いへの欲求はそれほどでもない。

しかし、王を守る武家貴族に生まれたという使命感はあり、上の王子を謀殺した結果とはいえ正式に王位に就いているカドネには最後まで仕える決意を固めている。

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