第5話 創作の世界へ

学校でしゃべらなくなると、浮かんだ言葉や感情を放出するやり場は次第に創作へと向いていった。


学校と基本的な生活時間以外はむさぼるように没頭した。


書くこと。投稿すること。それをきっかけにいろんな人と交流すること。


とはいっても、作品なんて立派なものではなく、どれも備忘録のような程度のものだ。


今日どんな気持ちになった。こんな気持ちになれた。


ただそんな程度のものが、みんなに愛されてはじめて価値がついた気がした。


自分さえも愛せなかった言葉たちを、受け取ってくれたみんなが撫でてくれていた。





創作は自由だった。


女の子らしくない詩をかこうとだれにも”らしさ”を求められない。


醜い自分の本音をさらけ出そうと受けはせずとも、否定はされない。



言葉遣いも


描く世界も


抱く感情も



なにもかも曖昧な此処では、自由だった。

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