第5話 お掃除完了

 「196ヵ国にアル、85億件のゴミ掃除完了しマシタ」


 一体のお掃除ロボット、いや殺人ロボットはポツリとこう呟いた。


 仲間のロボット達が声を掛ける。


「しかしニンゲンという種族ハ実に厄介でシタ。大半ハ発狂シテたノで中々骨が折れマシタネ」

 

「でもニンゲン活動ハ地球を劇的に変えタ。森林ハカイ。気候ヘンドウ。環境オセン。ニンゲンは地球の敵ナノダ」


 ギシニシ。と仲間達が機械音を立てながら、頭を振って同意した。仲間の一体が辺りを見渡す。


「ミろ。この美しさヲ」


 草木は緑いっぱいに生い茂っている。その中を気持ち良さそうに動物達が雄大にゾロゾロと歩いていた。


「動物達の生息地ハ完全に回復シタ。我々の役目は終えた。安全なところで自爆装置を起動しヨウ」


 白黒の頭がアリの群れのような長蛇の列を作って、行進を始める。


 ――これでニンゲンがいた証は完全に消滅した。


 今、地球は宝石のように綺麗な青色をしている。    

                 END 

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殺人ルンバ 桜杏 @sakurakyoko

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