その後 新選組?困ります!
小野田家より大量に発見された手紙は日本の中世歴史をひっくり返す存在となった。残された当時の近藤勇らの書簡により
「やれやれ、燃やしてしまえば良いものを」
煙草をふかして言った。歴史学者が日参して隊士達の手紙を読んだ。小野田家の意向により持ち出しは禁止された。
「現代に居た?新選組隊士達」
ネットニュースは大きく取り上げ、大手新聞社は黙認した。隊士達が現代にタイムリープなどするはずは無いとしていたのだ。
「まぁ、そういう風になるよね」
詩織は斉藤の手紙を眺めて言った。斉藤の達筆は詩織には読めず、チヨに任せている。
「詩織どの。ありがとうと書いてあるのよ」
チヨも詳しくは解説してくれない。チヨなりの意図が働いたのだろう。
「斉藤さんはまた人斬りに戻ったのだろうか」
斉藤から預かった津田助広が刀泉堂から紛失したとの連絡があった。きっと斉藤と共に幕末へ帰ったのであろう。チヨから聞いた。ネットを騒がせたこの一件の後、ひっそりと小野田家を訪ねた者が居た。斉藤の親族である。斉藤の遺言を守り、所持していた物を返却したいとの事であった。その中には津田助広に使用していた
「小野田家には並々ならぬ恩義を受け、筆舌に絶えない。詩織殿には特段の扱いを受けた。書面を持って謝罪とする」
斉藤らしい素っ気ない手紙であったが、詩織はハラハラと泣いた。そして返却された物にウニクロのポロシャツとジーンズが有った。詩織が後生大切にしたのは言うまでもない。小野田家一同は思った。
「新選組?困ります!」
新選組?困ります! ミツル @petorarca
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