第171話コーヒー

「局長、コーヒーをれましょうか」


「うむ、頼む」


近藤と土方はコーヒーに凝っている。最初はインスタントコーヒーだったが、本格的に淹れる事を覚えた。


「風味、酸味、素晴らしい」


少々熱いがまだホットで飲んでいる。詩織に教えてもらったペーパードリップだ。


「少しづつ、少しづつお湯を入れでください。入れすぎもいけません」


湯を含んだコーヒーの粉末は少し膨らみ、新しいお湯を待っている。詩織の指南を思い出しつつコーヒーを淹れる。人数分のコーヒーを淹れたら急いでカップに入れる。これもあらかじめお湯で暖めておいてある。


「局長、どうぞ」


隊士一同、それぞれ違うコーヒーカップが違う。近藤はアメリカ製の大きなマグカップ。土方はファイヤーキングのコーヒーカップ。どれも中々の値段であった。


「詩織殿からドーナツの差し入れが有りました」


近藤も土方もドーナツは好物である。コーヒーのお供に最適であり、二人の機嫌も良くなる。他愛も無い話で二人は盛り上がる。そこに詩織がやって来た。


「ドーナツは一人一個と張り紙をしていたのですが、お二人、二つ食べていませんか」


「いえ、一つしか食べていませんが」


そうですか、と詩織はドーナツ食べすぎ犯人を捜しに去って行った。


「誰だ、一人で二つ食べたのは」


「総司ではありませんか」


「総司は目を付けられて大変だな」


沖田は以前、ドーナツを二個食べてしまい、詩織からマークされている。詩織が犯人を見つけた。またしても沖田である。


「沖田さん、ドーナツ二個食べましたね」


「なんでわかったんです?」


「やっぱり!」


詩織はくどくどと沖田に説教する。何故ならば隊士の皆さんにと詩織ので買ってきたものである。詩織は罰として沖田は当分ドーナツ禁止令を出した。

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