第135話ハンバーガー
斉藤の話を聞くたびに近藤は興味が湧いた。斉藤の食に対する現代の見識では食べ物の誘惑は無数に有ると言う。
「斉藤君、相談があるのだが」
「なんでしょう」
「ハンバーガーと言うものを食べてみたいのだが」
「それでは早速行ってみましょう」
街へ出て、斎藤は近藤に話をしながら案内する。着いたメクドナルドと言う店はビルを一つの店舗として、一階で販売、二階、三階で食事を頼めると言う。レジの列に並んで待つ。食事時の前であるが混んでいる。斉藤からするといつもこうだと言う。
「局長は普通のハンバーガーで良いのですか」
「種類が有るのか」
「はい、色々有りますが」
「先ずは普通のハンバーガーにしよう」
順番が回って来た。カウンターで注文する。斉藤は手早く注文をして近藤の注文を
「ハンバーガーのえむさいず、どりんくはこーらで」
カウンターの店員は愛想良く注文を聞き、受け取りカウンターへ移動した。斉藤が
「局長、席取りをお願いします。三階で空いている席を確保してください」
近藤は三階へ上がった。それほど混んでいない。ガラス張りの席を取った。
しばらくすると斉藤がトレーを二つ持ってやって来た。
「良い席を取れましたね」
「しかし騒がしい店だな」
「若者の集う店です」
近藤は早速ハンバーガーを手にした。出来立てを早く食べたい。
「局長、かぶりついてください。ハンバーガーの一番美味な食べ方です」
斉藤の言われるままにかぶりついてみた。肉汁が口へ広がる。美味だった。パクパクとあっという間に食べてしまった。
「局長、これにてお口を拭いてください」
紙ナプキンを斉藤から手渡され、近藤は口を拭った。ポテトを食べながら
「しかし安くて早くて便利な店だな」
「英語ではファストフードと呼びます。日本では比較的寛容ですが本場アメリカでは一等下の食事だそうです」
斉藤の話を聞きながらポテトをつまみ、コーラを飲んだ。若者ばかりと言うのも納得がいく。以降、食べたくなると通う近藤であった。
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