第125話地震

グラリと家屋が揺れ、ガタガタと激しく地面が揺れた。近藤はノートパソコンに向かっていたが


「ふむ、地震であったな」


土方がかなり揺れましたねと近藤に言った。今には詩織と薫、隊士達がテレビに釘付けだ。何でも東北方面で大きな地震があったそうだ。皆テレビから離れない。そこに近藤と土方もやって来た。沖田が思わず声を出した。テレビの映像では津波が海岸を襲っている。


「こりゃ大変だ。早く海岸線から逃げないと」


テレビカメラは一部始終を映している。特別番組になり、各テレビ番組では報道をしている。隊士一同はテレビから離れない。現地はどうなっているのだろう。吉村は


「岩手はどうなっているのでしょうか」


「情報が入ってこないな、吉村君、大丈夫だ、心配ない」


近藤がそう言った。なんと恐ろしい地震であろうか。津波が全てを押し流していく。その様子を上空からカメラが写している。


「家がおもちゃのように流されているではないか」


津波が黒い濁流になって襲っている。


「これは高台に素早く非難できなければ非常に危険だ」


永倉はそう思った。


「会津は大丈夫であろうか」


近藤は心配している。もちろん松平容保まつだいらかたもりは現代では存在しない。しかし会津には特別の思い入れがある。しかしこの未曽有みぞうの地震で一体どれだけの被害が出るのであろうか。


「おい、また揺れているぞ」


僅かにゆらゆらと揺れている。薫によると余震と言って、地震の前後に起きる前触れのような自信を余震と言うそうだ。近藤はノートパソコンで調べてみた。ライブチャットでは東京、江戸の方では随分揺れたそうだ。ネット上でも混乱している。近藤はこの震災の歴史を知っていた。三陸では度々大地震にみまわれていた事を知っていたのだ。当時の瓦版でも大きく扱われていたのを思い出した。後の報道により、多数の死者が出たのを後に知る事になる。

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