第102話バッティングセンター

祐介は近藤、沖田、永倉を連れてバッティングセンターにやって来た。いきさつはこうだ。永倉が


「バッティングセンターとはどんなところですか」


と祐介にたずねた。祐介は


「ああ、野球の打者の体験を出来るところです。バットを持って機械が投げる球を打てるというものです」


沖田が話に入って来た。


「打者になれるんですか」


はい、そうですと祐介が答えると行ってみようという話になった。実はその以前に近藤はバットを購入し、素振りをしていた。沖田も永倉もバットを借りて素振りをしていた。この三人の野球への興味は尽きる事がなかった。


「さあ、何キロから始めましょうかね」


祐介は小銭へ両替をして三人の元に来た。


「先ずは初心者向けで腕試しをする方が良いのでは」


永倉の一言で、初心者向けで打つことになった。先ずは沖田が立つ。


「よし、来い!」


沖田がバッターボックスに立った。


球が投げられた。ボコッと音がして前に転がった。


「おお、総司、初心者なのに打てるではないか」


コツを得たのか沖田は小まめにバットに当てた。


「なかなか楽しいですね」


永倉と近藤も打った。沖田ほどではなかったが結構当てている方だ。祐介は感心した。


次は中級者向けを打つことにした。これには流石に三人とも苦戦した。


「これはなかなか難しいですね」


沖田も何回か空振りした。しかし近藤、永倉はよく当てた。


「上級者向けはどうしますか」


祐介に聞かれて三人はカーブが打ちたいと言い出した。祐介は


「それじゃあカーブ、やってみましょうか」


平日の昼間と言う事もあって、客は少ない。待つことなくカーブへ行けた。流石にカーブは難しかった。三人も三振ばかりだ。


「これは楽しい。また来ましょう」


三人は満足してバッティングセンターを後にした。近藤はグラブを買う事に決めた。三人分揃えよう。

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