第48話月代の悩み
「すっかり伸びてしまいました」
沖田は伸びた頭をポリポリと掻いていると近藤は言った。
「吉村君は近所の理髪店と言うところで剃ってもらっているそうだぞ」
沖田は吉村に話をした。それでは一緒に行きましょうとなった。吉村もそろそろ伸びてきた。沖田は看板を見た。田代理髪店と書いてある。
「吉村さん、いらっしゃい。そろそろいらっしゃると思いましたよ」
「どうも。実はもう一人、月代を剃っていただきたい人が居るのです」
そう言って沖田を紹介した。店主は早速沖田の月代を剃る準備をした。
「当店ではお坊さんの
元居た時代では月代を剃る職人などは沢山居たが、現代では居ない。店主は濡らして暖めておいたタオルを頭に置いて、シャボンを泡立てる準備を始めた。しばらくしてタオルを取り、泡立てたシャボンを頭に乗せていく。
「わぁ、暖かいな」
店主が剃り始める。座り心地の良い椅子は心地よい。
「吉村さんと言い、沖田さんと言い、月代を剃れなんて言うお客さんは居ませんよ」
代金を払い、店を後にした。沖田はご機嫌だった。
「しかし沖田さん、
沖田と吉村は二人帰った。沖田は近藤からお小遣いを貰っているが、ちょっと増やしてもらわないといけないな、と思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます