第22話 出発

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大幅改稿

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「よ、よし、じゃあ。次の大迷宮の話を始めようか。」


再び訪れた沈黙。やはり気まずくなったので、今後の動きについて切り出す。


「……? 情報は、どのくらい集まっているのでしょうか?」


「さっきまではゼロに等しかったけど……新しく『索敵』のスキルを取ってね。」


把握範囲では『気配察知』を遥かに凌ぐのスキル。日本全土に広げた結果、俺が攻略した場所と似通った力を放つ場所が、1つだけあった。


それを説明すると、納得という表情で頷いてくれた。


「……では、早速向かいますか?」


意気込んでいるのかと立ち上がる彼女を手で制す。


「今日はもう遅い。かなり遠いし、明日、早朝に行くとしよう。」


「……分かりました。」


それからは、お互いのことをよく知れるよう少し話をした。度々話が途切れることはあったものの、想定していたよりは遥かに悪くない空気になったように感じる。


「そういえばマツオカさんって、今幾つなんだ?何となく、同い年くらいには思ってるんだけど……。」


「……18歳。それと、ユイナでいい。……ユウマ君は?」


ここでようやく、俺の隠されていた年齢が明かされる。


「……17。」














◇◇◇

「よし、行こうか。」


早朝。日が出てきた頃に、俺たちは出発する。移動手段は勿論自分たちの足。ユイナさんに合わせたスピードだが、それでもスポーツカー顔前の速度が出る。


それと、俺たちに前日の疲れは残っていない。睡眠時間は4時間ほどだが、ステータスに表示される体力の値が影響しているんだろうな。今なら、一週間くらい徹夜でもピンピンしてる自信がある。


そして、ユイナさんに関しては少し、関係性が変わった。


「……ユウマ君。水、飲む?」


「……いや、いいけど。」


彼女は俺が歳下と分かった途端、急に姉のような振る舞いをするようになった。


言うて1歳。高校生にもなればほぼ誤差。70歳と71歳みたいなもん。というおれの主張は、全く通らなかった。


女性との接し方に関してはまるで経験値が足りていないので、されるがままの状況だ。でもまあ、悪くはない。


世話焼きな面を見せたユイナさんと適当に雑談しながらおよそ5時間。ぶっ通しで走り続けて、ようやく目的地が見えてくる。


「……ここみたいだな。」


まだ数日と経っていないのに、懐かしさすら感じる気配。間違いない、大迷宮だ。


『索敵』、そして『気配察知』を広げると、僅か10層のみだった。が、迷路になっている上、湧く魔物もそこそこ強い。


なるほど、攻略者どころか今入っている人間もいないわけだ。


初めて入った迷宮がここなら、間違いなく死んでいる。



「……さあ、入ろうか。」





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