第12話 迷宮の主

卵の悪夢から目覚めてはや1ヶ月。下層へと降りていた俺は、現在大きな扉の前にいた。


禍々しい模様に鬼の顔。悪魔のような異形の怪物が、小さく無数に掘ってある。


「最初の層から99層目。あの階層が本来2層目なら、ここはちょうど……」


……100層目。


「ボス部屋ってわけかな? どこにも確証はないけれど。」


ゴキゴキと首を鳴らし、気合いを入れる。


これが迷宮内最後の戦いになる。ここまでの道中を経験した俺には、直感で分かった。


◆◆◆

ユウマ・オオガサキ

職業:英雄(158/200)


筋力:196000

魔力:196000

体力:196000

耐久:196000


スキル SP:102700

『職業変更』『成長率超増加』

『格闘術Lv9』『身体能力超強化Lv8』

『隠密Lv7』『精神安定Lv9』

『気配察知Lv8』『欲求制御Lv7』

『自動回復Lv9』『睡眠質上昇Lv8』

『体内時計』『剣術Lv9』『幸運Lv6』

『投擲Lv7』『暗記Lv7』『消音Lv8』

『物理攻撃耐性Lv8』『魔法攻撃耐性Lv8』

『暴風魔法Lv8』『火炎魔法Lv8』

『暗黒魔法Lv6』『大地魔法Lv6』

『痛覚軽減Lv8』『害意感知Lv8』

『危機察知Lv6』『気配遮断Lv8』

『筋力超上昇Lv6』『魔力超上昇Lv6』

『体力超上昇Lv6』『耐久超上昇Lv6』

『大海魔法Lv7』『空間魔法Lv5』

『状態異常耐性Lv7』『生成Lv7』

『魔剣Lv2』『魔聖』『剣聖』『英雄』

◆◆◆


全てのパラメータは20万を間近に。ここまでの敵では無双三昧。


初めての敗北から、1度も『強敵』と呼べるような相手とは会っていない。だが、久々に感じる『危機察知』の反応が、扉の先にいる相手の脅威度を表していた。


「……行こうか。」


生半可な筋力じゃビクともしないであろう重量の扉をギィッと開けると、奥へと進む。


そこに居たのは……


「……ははッ!やっぱラスボスはこうでないとな!!」


 漆黒に黒光りする鱗に鋭い眼光。刺されば致命傷は免れないであろう鋭利な爪に、自らを大きく見せる翼。


 扉越しで感じていたものとは一線を画す威圧感。その迫力は、まさにラスボスに相応しい。


「グルァァアァァァァァアアァァァッ!!!」


「かっけぇな……ドラゴンッ!!」


なるほど、この迷宮の"最強"の座に居座っている怪物だろう。初めて感じる"カッコよさ"に、興奮を隠せない。


「……行くぞッ!スラッシュッ!!」


剣に暴風魔法を纏わせ、衝撃波を繰り出す。ちなみに魔法系スキルのレベルアップは、魔法に込められる魔力の許容上限が上がるというものだ。


故に、『風魔法』から進化して『暴風魔法』になっている状態での俺の剣撃『スラッシュ』は相当のものの筈なのだが。


「……無傷かあ。」


これで倒せるとは思っていなかったが、避ける必要もないと言わんばかりに堂々とされると、これまでの戦闘で積み上げてきた自信がなくなりそうだ。


そして、お返しとばかりに放たれたブレス。


 見たこと、感じたことのない圧倒的火力。紙一重で避けつつ、新たな手を考える。


「……ぐッ!!」


 横凪ぎに振るわれた尻尾を咄嗟に両腕で防ぐ。骨からミシミシと軋む音がするが無視だ。どうせ『自動回復』で修復される。


「グラアァァァァアァァアアァァァッ!!!」


 強者故の油断なんて微塵もない。当然、つけいる隙も存在しない。


 それならどうするか。


「……スキル『生成』をレベル10に。」


 SPの使用でスキルレベルを上げる。『生成』は『創造』へと姿を変える。


「『創造』」


指輪:赤

筋力増加+50%

使用者制限


指輪:紫

魔力増加+50%

使用者制限


指輪:黄

体力増加+50%

使用者制限


指輪:緑

耐久増加+50%

使用者制限


 右手の指に、指輪を嵌める。左じゃないのは、俺が左利きだからだ。剣を持つ手に違和感を感じるのは、あまり好ましくない。


 そして訪れる、かつてない全能感。


 力が漲ってくるのを感じる。


 「さあ、反撃開始だ。」







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る