『俺だけできるジョブチェンジ』~迷宮内での爆速スタート~

asu

第1話 夢?変化した世界

『【ワールドアナウンス】世界ナンバー14968番、地球。アップデートを開始しました。30秒後に来る衝撃に備えてください。』


「……ッ!」


自室でのゲーム中。誰も居ないはずの部屋で聞こえた声に、思わず息を飲む。


「び、びっくりしたぁ〜。何だったんだ?」


起動しているゲームは普段から基本ミュート状態なので、ここから聞こえたという線は無い。


まぁ、だからこそ驚いたのだが。


「気のせいな訳ないけど……考えたら眠れなくなりそうだよな……。」


内から出る恐怖に従い、思考を止める。


「さ、気を取り直して続きを……ッ!?」


ガクン、と。


視界が下がる。


背が低くなった? いやそうじゃない。


「俺今、落ちて……ッ!」


答えにたどり着いた時、俺は意識を失った。


謎の声が聞こえてから、ちょうど30秒後のことだった。













◇◇◇

「痛ってぇ……。ここ、どこだ?」


強く打ったのかズキズキと痛む後頭部を擦りながら、辺りを見渡す。


真っ暗……ではない。光源こそ無いが、目を凝らせば薄らとだが周りが見える。


「人の手が加わっているというか……何だろう、ドラ〇エの迷宮劣化版みたいな……。」


敷き詰められたタイルはボロボロで、コケが生えている。気温は常温。居心地がいいとは言えないが、特別悪いことはない。


「意味が分かんねぇ……。てか、俺が落ちた穴は……?」


上を見上げても、そこにあるべき穴は無い。


「……夢か。まぁ、それが妥当だよな。」


明晰夢なんて初めて見た、と思いながら、自身の夢ならあってもおかしくないものを色々と想像してみる。


 すると……


「うぉッ!……はは、出た出た。」


◆◆◆

ユウマ・オオガサキ

職業:無職(1/30)


筋力:10

魔力:10

体力:10

耐久:10


スキル SP:10

『職業変更』

◆◆◆


 思い描いていたものと比べると多少の差異はあるが、誤差の範囲内。


 文字通り夢にまでみたステータスだ。


喜びが溢れて、笑みが浮かぶ。


「でも夢なんだから、勇者とかにしてくれてもいいのにな……いや、俺の夢なんだ。働きたくないっていう欲望がそのまま現れたのかも……。」


何はともあれここが夢だとすれば、今居る場所は恐らく迷宮なのだろう。


少しボロっちいのは想像力の乏しさか。


「……ま、その辺はどうでもいいか。目が覚める前に探検しよっと。」


こうして俺は、薄暗い迷宮の奥へと足を進めるのだった。



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