#714
それからジャズたちは、それぞれの役割を果たすために動き出した。
サーベイランスはその機械の身体に内蔵してある
ブライダルは廊下にあった窓から外へと飛び降り、侵入してきたレジーナ王女の部隊の足止めに向かう。
「ハッハー! 気分はアンジェリーナ·ジョリーかスカーレット·ヨハンソンッ! ハリウッドのアクション俳優だよッ!」
「あいつ……。またあんなムチャを……」
頭のてっぺんで結ったポニーテールを揺らして走っていくブライダル。
ジャズはそれを見届けると、先ほどまでいた部屋の扉のほうを向く。
そこにはニコがおり、彼女のことを見て
ジャズはニコが扉を閉めたことを確認すると、レジーナの狙いだと思われるリュージュのもとへ走る。
おそらく宮殿にいた
だが、こないだ見たときの武装を比べる限り、明らかに宮殿の兵よりもレジーナ王女の部隊のほうが強力だ。
そのため、すでに宮殿内に侵入されているかもしれない。
正直、各自に抑えるべきところは任せたものの、こちらの人員は少な過ぎる。
それに、レジーナは自分が先陣を切って戦うタイプだ。
なら、やはり一番に考えるはリュージュ女王の護衛である。
「分が悪いのは当然……。今に始まったことじゃない……。一生懸命考えたら、後はみんなが笑顔になれるためにやるだけだッ!」
幸いなことに進んでいく廊下には、まだレジーナの兵たちは来ていないようだ。
さらに誰もいないところを見ると、すでにサーベイランスが避難誘導をしてくれていることがわかる。
そして、ジャズはリュージュ女王がいる部屋へと辿り着いた。
「リュージュ女王ッ! あたしです! ジャズ·スクワイアですッ!」
ジャズは自分の名を叫ぶと扉を開いて中へと入る。
そこには、
ジャズは兵たちに状況を訊こうとすると、部屋の外から大声が聞こえてきた。
「どこへ逃げたリュージュ女王ッ!」
レジーナの声だ。
どうやら予想通り宮殿内に侵入されているようだ。
その声を聞いた護衛兵の二人は、ジャズにリュージュのことを頼むと、部屋を出て行ってしまう。
「ダメッ行っちゃダメだってッ! あなたたちは女王を守らないとッ!」
ジャズが止めたが、二人は彼女の制止を振り切ってレジーナの声がするほうへと飛び出して行ってしまった。
廊下から銃撃が耳に入って来る。
ジャズは表情を強張らせると、リュージュを担いでこの場から脱出しようと考えたが――。
「まさか自室で寝ているとはな。敵襲が来ているのこの体たらく……。やはり母上にこの国は任せられん」
突然扉が破壊され、そこにガンブレードを持ったレジーナが立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます