#554
――メイカがジャズたちにそう告げていたとき。
バイオニクス共和国は
戦闘機の銃弾やミサイルの爆破の轟音。
さらには敵幹部の
「やはり……このままではバリアが破られる……」
今はリバーブプレートというバリア発生装置を使用し、共和国全体に防御している。
メディスンの予想通り、死を恐れない
「メディスン、各自戦闘準備オッケーみたいだよ」
「よし、では指定場所のバリアを解くように伝えてくれ」
リーディンが戦える者らが武装を終えたことを伝えると、メディスンはバリアの一部を解くように指示した。
それは、一か所のみを開ければそこに戦力を集中できるからだ。
しかも、リバーブプレートを解いた部分は狭く、そこから戦闘機などは入って来れず、こちらの有利な白兵戦に持ち込むためでもある。
《オレが先陣を切る》
《おい
通信でブレイクが皆にそう言うと、ラヴヘイトが割り込んでくる。
メディスンは二人の会話を聞いて笑みを浮かべると、ブレイクとラヴヘイトを先頭に、後の者たちは敵が住民たちがいる区画へ入って来ないように援護にしてくれと告げた。
元
先ほど国を追われたヘルキャット、アリアたちストリング帝国軍の生き残りも、ジャガーを隊長として待機。
そんな彼らの上空にはジェットパックで飛ぶミウムがレーザーガトリングガンを握り直し、体内にある半重力システムで浮いているサービスもいる。
「全員、必ず生き残れ。ユダーティ、バリアを解除してくれ」
メディスンの傍にいたユダーティが頷くと、彼女の足元にいた電気仕掛け仔羊ニコが大きく鳴いた。
その鳴き声は、そうだ、必ず皆で生き残ってミックスやジャズたちとまた会うんだと言っているようだった。
「解いたぞ! 全員敵に備えろッ!」
リバーブプレートは解除され、法衣を纏った
信者たちの手にはその格好に合わない重火器や電子スピアが持たれている。
まるで農作物を食い尽くすイナゴのごとく――。
その数は数十万だ。
百人にも満たない連合軍では圧倒的に形成は不利だ。
だが、先頭を走るブレイクとラヴヘイトが怯むことはなかった。
「こう見るとやっぱ戦力に差があり過ぎるな」
「ビビってんのかラヴヘイト? いつもの自信満々な余裕はどこいった?」
「バカ、こんなもんでビビるか。俺は……必ず生きて、また会いたい奴がいるんだよッ!」
駆けだしながら会話を交わす二人。
そんな勇猛果敢に敵へと飛び込んでいくブレイクとラヴヘイトを押しのけ、誰よりも早く切り込んでいく者の姿が見えた。
その者は両手の甲からダイヤモンドの剣を生やし、それで信者たちをまるで雑草のように薙ぎ払っていく。
それは、ブレイク、ラヴヘイトと並ぶハザードクラスの一人。
ウェディングがその場にいる者たち全員に向かって吠える。
「前線は三人ッ! 私だってハザードクラスだよッ!」
それから彼女へと続き、ブレイクもラヴヘイトも敵軍へと飛び込んでいくのであった。
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