#545

――バイオニクス共和国ではブレイクが永遠なる破滅エターナル ルーインの幹部の一人であるロダルテと戦っていた。


ブレイクは、岩のような大きな巨体にオーラを操るロダルテを相手に追い詰められている状況だった。


小雪リトル スノー小鉄リトル スティール二本の刀で光を纏う拳を避けながらブレイクが叫ぶ。


「こいつッ!? デカい図体のくせに動きがはえぇッ!」


ついに避けきれず、二本の刀で頭上から振り落とされた手を防ぐブレイクだったが、そのままコンクリートの地面にめり込み、このまま押し潰されてしまいそうになる。


「なんて力だよッ! こりゃロウルのおっさんが仕留められなかったのも頷けるな!」


ロダルテに押し潰されそうになりながらも、ブレイクは軽口を叩く。


余裕など全くない状況だというにどうして彼がそんな口を利けたのか。


「ったく、おせぇんだよ」


それはブレイクが呟いた瞬間にわかった。


ブレイクがそう言って笑みを浮かべると、彼を押し潰そうとしていたロダルテの巨体が突然ぶっ飛んでいく。


どこからか飛んできたレーザー光線と光がロダルテの巨体を吹き飛ばしたのだ。


そして、その飛んできた方向をブレイクが見ると、そこには白銀髪の女性ミウム·グラッドストーンと、宙を浮いている金色の髪をした少女サービスがいた。


「悪い、ようやくこっちが片付いたんだ」


ミウムは回転する六本の銃身からレーザーを発射するレーザーガトリングガンを機械の左腕を使って肩に担ぐと、サービスと共にブレイクの傍へと近づいて来る。


それを見たブレイクは舌打ちして顔を歪める。


「気を付けろよ。あのデカいのはあんぐらいじゃ殺れねぇ」


「大丈夫。もう、みんな来るから」


サービスがそう言うと、立ち上がったロダルテが三人へと襲い掛かって来ていた。


その両手には白い光のオーラ


それはまるで生き物のようにうねっていて、これまでになかったほど巨大だった。


だが、意気込んで向かっていたロダルテだったが、突然爆発が起きて再び吹き飛ばされていく。


「ブレイクッ! 無事なのッ!?」


そこにはリーディンを先頭に、ジェットパックで空を飛ぶジャガー·スクワイアと、四肢の義手義足のジェットで空を飛ぶライティングの姿が見える。


ブレイクはリーディンたちを見るとまたも舌打ち。


それからフンッと鼻を鳴らして彼女たちに声をかける。


「お前らほうは片付いたのかよ?」


「ああ、こっちに来た連中は退却していったぜ」


ジャガーがそう答えると、その場に集まった全員でロダルテを囲んだ。


電磁波放出装置――インストガン、レーザーガトリングガン、義手のブラスターなどそれぞれが持つ武器の銃口を向ける。


「おい、今から質問することに答えろ。そうすれば命だけは助けてやる」


そして、ブレイクが倒れているロダルテに刀を突き付ける。


すると、突然ブレイクたちの頭上に一台の航空機が現れた。


航空機はロダルテの身体を転送装置で回収。


そして、そのまま飛び立っていってしまう。


「逃がすかよ! ベルサウンド流、モード小雪リトル スノー小鉄リトル スティール……」


「待てブレイク。今はこちらの体制を立て直すのが先だ」


ミウムがそう言うと、ブレイクは口角を歪めながら剣を収めた。


それから一同は皆顔を見合わせると、ジャガーが口を開く。


「じゃあ、メディスンさんのとこへ行こうぜ。なんでも大群がこのバイオニクス共和国に近づてきてるらしいからな」

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