#429
自分の身体が光となって崩れていくことに我を忘れているメイカを見て――。
ジョルジが得意気に口を開いた。
「やはりお前は
彼が言うに――。
神具から加護を受けている
啓示のみを受けた
メイカは
しかもまだ何も神具から啓示を受けたわけではない。
マスター·クオが彼女にかけた術――
それでも神具の力を引き出せたのは、メイカが禁術を使用しているからだ。
ジョルジは戦闘中にそのことに気が付き、彼女に好きにさせていたのだった。
「ハッハッハァァァッ!どうだ女ッ! 兄ちゃんのドヤ顔は最高だろッ!」
そんな勝ち誇っている兄を見て弟のエンポリも彼の真似をする。
ジョルジはそんな弟を見て呆れながらも嬉しそうにクスっと笑っていた
そんなアルマー兄弟を見ながら、メイカは身体の崩壊を抑えようと、自分の掌を身体に当てに
その効果と神具を操る禁術を止めたのだろう。
メイカの身体の崩壊は収まっていたが――。
「さて、これで形勢逆転というわけだな」
ジョルジが鼻で笑いながら近づいてきていた。
メイカは冷や汗を掻いていた。
これ以上はもう神具の力は頼れない。
しかも自分の身体の崩壊を止めるために、かなりの
この状態で、目の前にいる半分ロン毛の半分スキンヘッドの
内心の恐怖を振り払うために、彼女はガラガラになっている声で叫ぶ。
「ふざけんなッ! あんたら三下なんかに神具も
メイカは近づいて来るジョルジに向かって身構えた。
だが、当然その手からは
ジョルジの後ろからはニヤニヤとスキップしながら歩いて来るエンポリの姿が見える。
もう体術のみで戦うしかない。
いくらメイカが
(なんでだよ……なんであたしはいつもこうなんだよ……)
先ほどまでの勢いはどこへやら――。
今のメイカは年相応――いや、まるで十代の少女のようにか弱い表情となっていた。
身構えてはいるが、その身体からは覇気が感じられない。
「さあ、神具を頂くとしようか」
「ねえ兄ちゃん。こいつはどうする? 殺っちゃう?」
「イード様は
「は~い。了解しました~」
じりじりと距離を詰めてくるアルマー兄弟。
二人の話を聞いていたメイカの身体が震える。
(皆の仇も取れないまま、ここで殺されちゃうの……ッ!?)
このまま始末されると覚悟をしたメイカだったが。
アルマー兄弟が飛び込もうとした瞬間に、突然現れた真っ黒なバイクが彼ら二人の前に立ちふさがった。
「あぁ……あぁ……」
「わりぃ、ちょっと遅くなったか? だけど、なんとか間に合ったみてぇだな」
「ロウルさんッ!!」
絶体絶命だったメイカを助けに――。
ハザードクラス――
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