#303

ラムブリオンの屋敷で戦闘が始める。


レーザーガトリングガンの閃光が室内を破壊しながら輝きを放つ。


だが、ブライダルは猫のようにヒョイヒョイ飛び回り、ミウムの狙いはすべて外れてしまう。


《おいどうしたミウム? お前が狙いを外すなんてほとんどなかっただろ?》


「ああ、奴は相当場慣れしているようだ。誘い込むように撃ち続けてもこちらの予測を超えた動きをしてくる」


らしくないとルーツーが声をかけると、ミウムが冷静に状況を説明した。


そして、それでも問題はないと言う。


「遠距離攻撃でダメなら近距離だ」


ミウムはそう言うとレーザーガトリングガンを自分の真上に放り投げた。


ブライダルはその隙を見逃さず、彼女の前へと飛び込んでいく。


「――というのは嘘だ」


「えぇッ!? ちょっとそれズルいってッ!」


ミウムは真上に投げたレーザーガトリングガンをジャンプして掴み、その態勢のままトリガーを引く。


連射されたレーザーが飛び込んできたブライダルへと発射された。


「私に壊せないものはない」


「ダッサい台詞……」


だが、ブライダルは背負っていた青龍刀を持ってレーザーを弾き返し始めた。


回転しながら連続で放たれるレーザーを一つ残らず防いでいる。


「ワッハハァッ! なんか偉そうなこと言ってましたけど、ブライダル的にはカッコ悪いと思いますよ~。てゆ~かレーザーってなんだよッ!? そりゃこの話はなんちゃってSFだけどさ。そんな子供が喜びそうな武器使って人気者になりたいってか? それと誰かと通信でもしてんの? さっきからずっと話しながら戦ってないあんた?」


「よく喋る奴だ。……だが、正直いうとうらやましい」


「そこで本音出ちゃう? レーザー連射しながらなんて、あんた絶対おかしいよ。一回お医者さんのとこ行ったほうがいいって。まあ、私が羨ましいってとこはわかるけど。心の病気は早めに治そう」


「うん? 私は別に病気じゃないぞ」


「いやだからさ! ちょっとあんた私の話聞いてるようで聞いてなくねッ!?」


ガトリングガンが発射する轟音の中で、互いに言葉を聞き合うミウムとブライダル。


ミウムの肩口に付いてる人工知能である黒羊ルーツーは、この二人が実は凄く気が合うのではないかと呆れていた。


そんな二人の横では――。


ブレイクとラヴヘイトとが戦っていた。


ダイナコンプによって奇跡人スーパーナチュラルの加護――身体能力の向上がない状態のブレイクでは、ダイナコンプから出る電波を遮断するの装置――プラットホームステレオを使用し能力を使えるラヴヘイト相手では当然追い詰められていた。


「オラオラ、どうした共和国最強? さっきから逃げ回っているだけじゃねぇか」


ブレイクはラヴヘイトに反撃ができなかった。


それは下手に攻撃をすると、ラヴヘイトの二つ名であり能力でもある還元法リダクション メゾット を使われるからだった。


還元法リダクション メゾット は、あらゆる種類の運動エネルギーを吸収し、 自らの望む形に変換して放出するもことができる。


当然打撃も斬撃も通じず、さらに爆発や電磁波、レーザーなどのエネルギーも吸収できる。


吸収したエネルギーは、身体能力、腕力、耐久力、治癒力などの増強、エネルギーブラストとして利用。


つまりは、ラヴヘイトに攻撃を食らわせれば食らわせるほど強力なってしまうのだ。


(どうする!? このままじゃやられるだけだ! なにかヤツに弱点はねぇのか!?)


ブレイクが内心で焦るそのとき――。


「いたぞ、白銀髪の女だ! ブレイク·ベルサウンドもいる! 二人共捕らえろ!」


四人が戦っている屋敷に暗部組織ビザールの部隊が現れた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る