#140
立ち上がったプロコラットはミックスへと近づいて行く。
そして彼の顔に自分の顔を突き付けると、そのワインで
「食堂車で話したよなぁ。俺とユダーティは
それからプロコラットは、ミックスに言い聞かせるように話を始めた。
プロコラットが
そういう理由で、今回は列車強盗はを
だが、この列車にはバイオニクス共和国の
世界中に家電や
先の
これはもうやるしかないだろうと、彼はさらに声を張り上げた。
ミックスはそんなプロコラットに顔を突き付け、彼に負けないくらいの声で言い返す。
フォクシーレディは先ほど
だから今はもう一組のブルジョアしかいないと。
「あの人がいないならもう止めていいでしょ!? 早くしないと一等客室の人たちが死んじゃうんだよ!」
「強盗ってのはなぁ。始まっちまったら
「あなたは金持ちが
「ああ、関係ねぇよ。だから死んだってなんとも思わねぇ」
そう言ったプロコラットはミックスに背を向けると、お手上げとばかりに
さらに
「わかんねぇなぁ。お前は
「人の
「お前から金を取ってどうすんだよ? 俺たちは
それまでは
その
「お前らには話したよな? 俺とユダーティがどんなとこで生きていたのかをよぉ」
ミックスは、プロコラットたちと話していた食堂車でのことを思い出していた。
人体実験の研究所が
二人は
プロコラットからすると、もし彼らが
しっかりとした国や大人たちに
けして、仲間同士で殺し合いなどしなかった。
それは誰にも頼らずにユダーティと生きてきた――そんな
ミックスはその話を聞いたとき以上に、今のほうが
そして、プロコラットの言っていたことを思い出す。
「ようするに、金はあるところから
この世界は金さえあればどんなくだらない人間でも
ならばあるところから奪い、貧しい者たちにばら
プロコラットはそう言いたいのだと、ミックスは表情を
「おい、ミックス。悪かったよ、そんな顔すんなって。言い過ぎた言い過ぎた。俺もユダーティもお前らのことは気に入ってんだ。じゃなきゃ
「……たぶん、あなたがやっていることは良いことだと思う」
「やっとわかってくれたか! そうだぜッ! 明日のメシにありつけるかもわからない
「だけど……それでも……誰かを
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