第3話 作戦会議(仮)
家に帰って来たものの、おかしい…
いつも家に居るはずの母の姿が無い。さっきの外と言いこれじゃあまるで世界から私たち以外の人間が消えたみたいじゃない…
「今日はくるちゃんママ居らんの?」
「み、みたいやね」
なっちゃんはまだ気づいてないみたいやけど。
私たちはあの飛行機が墜落してからまだ一人も人に会っていない。
もしかしたら本当に——
「作戦会議ってなにすんの~?」
夏樹はベットに寝転ぶ。
くるははそっとテーブルに夏樹と自分の分の飲み物を置き、ベットの前に置いてある座椅子に腰を下ろした。
「作戦会議って言ってもこれから何するか考えようっ。みたいな」
「あ~ね、学校無くなったしそれ良いかもっ」
「なっちゃんはなんかある?」
「フリが適当すぎん…まぁいいけど、うちはマグロの一本釣りに行きたいな~」
この子は漁師にでもなる気なのかな…?
すると夏樹はくるはの肩に顎を乗せる。
「くるちゃんは?」
「私?私は…旅行、とか?」
「おっ、いいね~。んじゃあ旅行に決定っ」
案外簡単に決まってしまった。
「旅行か~どこ行こっかな~」
「なっちゃんは気が早いな」
とくるはは肩を震わせながら笑い、この時間が永遠に続けばいいな~と思いながらそっと目を閉じた——。
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