第8話 7月24日(火)-3 廃校ピクニック
高校の横を通り抜け、裏の丘を登る。標高はそれほどでもないけど、傾斜が急ですぐにペダルが重くなる。僕が一番最初に降りてしまった。
「何だよ、あんた、体力ないね」と沙紀が振り向く。
「ほら、僕が最初にギブアップした方が女性も無理しなくて済むだろうからね」
「真っ赤な顔してゼイゼイ息しながら言うセリフじゃないでしょうよ」
僕らは三人並んで自転車を押した。人も車も通らない過疎地だ。
彩佳さんが息を弾ませながら沙紀に告げ口をする。
「郡山八幡神社でね、カズ君が沙紀ちゃんの補習がうまくいくようにってお祈りしたんだって」
「ふうん、ありがとうって言いたいところだけど、それ、他人に言っちゃったら願いが叶わないんじゃないの?」
「ああ、まあ、ごめん」
「でも、ホントかねぇ」
怒られるかと思ったら、なぜか沙紀がにやけている。
「素敵な出会いに感謝でもしたんじゃないの?」
なんで分かる?
僕の顔色を見て沙紀が吐き捨てるように言った。
「うわ、マジかよ。こっちが恥ずかしいわっ」
自転車を傾けながら肘打ちされる。
それくらいされても文句言えないくらい僕も恥ずかしいです。
「おっと、お弁当が落ちちゃう」
沙紀があわてて籠を押さえる。
坂道の先には数件の藁葺き屋根の家が並ぶ集落が見えてきた。ただ、よく見ると藁葺きに穴が開いたり、屋根自体が崩れていたりと、ほとんど空き家になっているようだった。天井に大きな穴が開いたままのビニルハウスや、運転席の中から生えた蔓草がフロントガラスを突き破っている軽トラックも放置されている。昼でもなんだか背筋がぞくぞくするような場所だ。
庭先でクリーム色の大きな花がそよ風に揺れている。オクラだ。自然に種でもこぼれて生えてきたんだろうか。廃墟で鮮やかに咲き誇る花に不思議な生命力を感じる。誰も摘み取らないせいか、ソフトクリームのコーンみたいに実が太く大きくなっていた。
道を進んでいくと集落の奥の方に開けた場所が現れる。そこが廃校だ。
校庭だった空き地は鉄棒などが撤去されていてただの原っぱだ。陸上トラックや砂場などは跡形もなく夏草に覆われていて、松尾芭蕉が俳句を作りそうな雰囲気だ。校舎に続く通路の部分だけ最近刈り取られたばかりらしく、土と倒れた草のにおいでむせかえるようだった。
敷地の奥には木造校舎が保存されている。平屋だけど、屋根が高くて大きく感じる。建物に鍵はかかっていなくて、『ご自由にご見学ください』とラミネート加工した張り紙が掲示してある。時間帯がマジックで書かれていて、昼間だけ公開されているようだった。
玄関前に自転車を止めて沙紀がお弁当を持つ。
「おじゃまします」と彩佳さんが玄関の引き戸を開けた。たてつけが悪く、ガラスがガタガタ鳴る。
中にはスノコの上にスリッパが並べられていて、勝手に履き替えて自由に見学するようになっていた。
照明がないので外の明るさに比べると廊下はやや暗く感じる。でも廊下も教室も天井が高くて開放感がある。スリッパの擦れる音だけが響いて、時間が止まった異空間に紛れ込んだような気分になる。
外は暑いけど、中はそれほどでもなかった。何カ所か間隔を開けて廊下の窓が開いていた。近所の人が毎日管理しているのだろうか。床はきれいに掃除してあるけれども、窓から差し込む白い光の中で埃が乱舞していた。
廊下には生徒達の習字が張られている。古いものかと思ったら、伊佐市内の小学校の生徒が書いた最近のものを掲示してあるのだった。まあ、昭和の時代の廃校だから、もし本物の習字が残っていたら、紙も茶色くなっているだろう。
「ねえ、この字、書き順が違うよね」
沙紀が僕のシャツの袖を引っ張りながら下手な習字にツッコミを入れている間、彩佳さんは建物を熱心に見て回っていた。さすが歴史好きと言うだけのことはある。
教室の中には机と椅子が並べられていて、今でも授業ができそうな雰囲気だ。
「じゃあ、ちょっと彩佳はここにいて」
沙紀が彩佳さんを廊下に残して僕に向かって机を指さす。椅子に座るとギシッと音が響いた。
「あんたは生徒役ね」
そう言うと沙紀は教卓に手をついて教室をぐるりと見回した。
「今日はみんなに新しくこの学校に来た転校生を紹介しますよ」
突然ホームルームごっこが始まった。
先生役が意外とはまっている。僕も調子を合わせてやった。
「ハイ、先生。男の子ですか、女の子ですか」
「お、今村君、いい質問ですね。どっちだと思う?」
「かわいい女の子だと思います」
「コラ、それはセクハラです。後で職員室に来なさい」
沙紀が片目をつむる。
「じゃあ、水無月さん、入ってきてください」
「すごく恥ずかしいんだけど」
「ノリよ、ノリ」
手招きされておずおずと彩佳さんが入ってくる。本当の転校生みたいだ。
教卓横に立ってお辞儀する。僕もつられて頭を下げた。
「千葉から来ました、水無月彩佳です。好きな食べ物はスイカです。よろしくお願いします」
「水無月さんは千葉の幕張というところから来ました。何か質問ある人はいますか」
沙紀が僕に視線を向ける。
べつに質問なんてないんだけどな。
「好きなスポーツは何ですか?」
「つまらん質問だな」と沙紀が横やりを入れる。
彩佳さんは苦笑しながら答えた。
「えっと、自分ではやらないけど、ハンドボールの試合をよく見ます。うちの高校の部活で盛んなんです」
「はい、今村君、他に質問は?」
「いえ、まあ、べつに」
急に言われても本当に何も思いつかない。
「あのね、ここはお約束の質問をするところでしょ」
なんだそれ?
「『カレシいますか』でしょ」
おいおい、何を言い出すんだよ。
「先生、それセクハラなんじゃないですか?」
僕はすかさずツッコミを入れた。
「えー、べつにいいじゃん。女子はコイバナ好きだし」
「僕男子なんですけど」
聞きたくなかった。こわかった。カレシがいますなんていわれたら、僕はこの場から走って逃げ出すしかないじゃないか。
と、そのとき、当惑して立ちすくんでいる彩佳さんのお腹が鳴った。静かな教室にかなり派手に響く。お腹と顔のどちらを手で隠すべきか動揺している彩佳さんの姿がとてもかわいい。
「ほら、早く席を決めた方がいいんじゃないのか。お弁当食べようよ」
「そうね。お腹もすいたよね」と沙紀も教卓を回り込んでこっちに来る。
彩佳さんも顔を赤くしながら僕の隣の机を移動してくっつけた。
「本当の給食の時間みたいだよね」と沙紀が上機嫌でお弁当を広げる。「はい、おにぎりとおいなりさんね。こっちは唐揚げと卵焼き」
「へえ、すごいね。おいしそうじゃん」
僕は努めて明るく振る舞った。
カレシいますか?
そんなこと、聞きたくなかった。
興味のないふりをして目の前の弁当を楽しく食べるのが僕の仕事だ。
「ずいぶん多くないか?」
三人分としては、明らかに食べきれない量だ。
「ヤマト君も来るかと思ってたから、四人分作ってたのよ」
「大知の分か。残念だけど家の手伝いじゃしょうがないよな」
せっかくのチャンスを逃して本当に残念だ。あいつは今頃ブルーベリーでも摘んでいるんだろうか。あの熊みたいな体でチマチマ作業をしているところは似合わなすぎて想像できない。全部つぶしちゃってるんじゃないのか。
「じゃあ、僕があいつの分も食べようかな」
「あんたがモリモリ食べたってちっともうれしくないんですけど」
「なんで?」
「べつになんでもないけど」
沙紀がめずらしく口ごもる。
彩佳さんが僕らに箸を配りながら尋ねた。
「ヤマト君って、お友達?」
「うん、こいつの友達」と沙紀が僕を顎で指す。
「最近仲良くなってね」
「あ、高校に入ってからの友達なんだね」
彩佳さんに沙紀がウェットティッシュを渡す。
「カズアキが仲良くなってから、あたしもけっこうヤマト君としゃべるようになったんだ。補習の休み時間とか、二人でいることが多いかな」
へえ、そうなんだ。よかったじゃないか、大知。うまくやれよ。僕は心の中でエールを送った。
いただきますと唐揚げを口に入れた彩佳さんがよく噛んで味わってから、口元を手で隠して声を上げた。
「唐揚げおいしい! もう一つもらっていい?」
「どうぞ、どうぞ。あたしの自信作だからね」
「けっこう慣れてる感じだったもんね」
「こんなにいつ作ったんだ?」と僕も横から尋ねた。
「夜のうちに調味料混ぜてつけ込んでおいて、揚げたのは朝だよ」
「へえ、手際がいいんだな」
「二度揚げでカラッとしてるでしょ」
「うん、コンビニのよりうまい」
「そこと比べるか」と沙紀が苦笑する。
「でも、カズ君って、いろいろほめてくれるよね」と彩佳さんがおいなりさんを口に運ぶ。
「そうかな、あんたがあたしのことをほめたことなんてあったっけ?」と沙紀が僕をにらみつける。
正直、沙紀にはなかったような気がするから、僕はおにぎりを頬張って返事をごまかした。中は鮭だ。
僕が黙っている間、沙紀と彩佳さんの間で話題が変わって、千葉の話になる。
「最近、ランド行った?」
「シーかな」
「あたし、シーは行ったことないんだよね」
沙紀が急に僕に話を振る。
「今度はさ、あたしたちがみんなで千葉に遊びに行こうよ」
「遠いね」
気のない僕の返事に彩佳さんが首をかしげる。
「飛行機ならすぐだよ」
「こいつ高いところダメだね」と沙紀が茶化す。
「ああ、さっきそんな話をしてたもんね」と彩佳さんがうなずく。
情けなさを納得されたのはがっかりだけど、僕の些細な話をちゃんと覚えていてくれた喜びの方が上回って、僕は頬が緩んでしまった。
沙紀がそんな僕を横目でにらみつけた。鼻にしわが寄る。
「こいつね、うちの階段下りるときもビビってたくらいだから」
「小学校の時だろ」
僕の言葉を無視して彩佳さんに話を振る。
「昨日は飛行機揺れた?」
「着陸するときかな。地面が近いのにけっこう揺れてたからうまく着陸できるのか心配になっちゃった」
「こいつビビリだから無理。おしっこ漏らしちゃう」と沙紀が僕を指さす。
「食事中です」と僕が冷静に指摘すると、沙紀は首をすくめてゴメンと舌を出した。
そうだ、おねしょをバラしたことも後で注意しておかないと。
「カズ君はジェットコースターとかもダメなの?」
「乗ったことないから分からない」
「え、ないの?」
あまりの驚きように逆に僕の方が驚いた。
「鹿児島県民はジェットコースターに乗ったことがないって人、多いんじゃないかな」
「ふうんそうなんだ」
「遊園地とか、この辺にはないからね」と沙紀もため息をつく。
彩佳さんが軽く手を叩く。
「プールのウォータースライダーとかは?」
「それなら隣町にあるけど、こいつはやったことないんじゃない?」
沙紀の言うように、僕はウォータースライダー未経験だ。
「そうなんだ。よっぽどの高所恐怖症なんだね」
彩佳さんが納得したようにうなずくと、沙紀がお腹を抱えて笑い出す。
「違うよ。こいつとプールに行ってくれるカノジョがいないからだよ」
「沙紀ちゃんは?」
「はい、彩佳ペナルティ二枚目。冗談でもやめて」
沙紀が笛を吹いてレッドカードを示す真似をする。そんなにひどいファウルですか。
小学校の時は親に連れられて沙紀とプールに行ったことがあるけど、中学の時は一度もなかった。中学生にもなると親と関係なく友達同士で行くものだし、くっついた男女二人で行く奴らもいた。僕は泳げないから男の友達に誘われても行かなかった。
沙紀もプールを嫌っていた。沙紀は学校のプール授業も嫌がっていた。男子にからかわれたり、じろじろ見られるのが嫌だったんだろう。遊びのプールも女友達とも行った話は聞いたことがなかった。行ってたらきっとナンパされまくってただろう。
『海なら上に何か羽織ってればいいじゃん。学校ってそういうの禁止だからやだよね』
その当時はいろんな悩みがあるものだなと漠然と聞いていたけど、今になって思い出すとは思わなかった。
話をしているうちに、多くてあまるかと思ったお弁当がすっかり空になっていた。お世辞抜きでおいしかった。
「ごちそうさまでした」
お弁当を片付けて机を元に戻す。本当に学校みたいだ。
「彩佳、髪の毛ちょっと乱れてきたから直してあげるよ」
「あ、ありがとう」
「そういえばさ、前髪切ったんだって?」と僕は沙紀に尋ねた。
「ハア? 何? キモイんですけど」
「ほらね」と僕が肩をすくめると彩佳さんも苦笑する。
「何よ」と沙紀が僕らを見る。
「朝ね、学校で会ったときに沙紀ちゃんの前髪に気づいたかどうか聞いたのよ」
「そしたら?」
「全然気がつかなかったって言うから、ちゃんとほめてあげた方がいいよって話してたの」
「でも、こいつに言われると吐きそうになる。食べたばかりでやめて」
真顔で言わないでほしい。まあ、どうせこの先も気がつくことはないだろうから安心してくれ。
沙紀が鞄から櫛を取り出して彩佳さんの髪型をいじる。
ツインテール。ポニーテール。頭の上でお団子。いろいろいじって楽しそうだ。
「ねえ、あんた、今のどれが良かった」
「え、あんまり見てなかったから分からない」
「嘘つけ、見とれてたくせに」
返事に困ってしまう。そんなわけあるかと言うのも失礼だし、認めてしまうのも恥ずかしい。
「まあ、全部良かったよ」
「ねえ、聞いた? 君のすべてが素敵だって。歯の浮くようなセリフだよね」
いや、そういうふうには言ってないし。
「そうかな。うれしいよ」と彩佳さんがつぶやく。
沙紀が僕を見てにやける。
「うれしいってよ。よかったね」
なんかやたらと絡むな。
結局沙紀は両側から後ろに向かって編み込みをして、全体を花籠のようにまとめ上げた。なんだかお姫様みたいだ。沙紀にこんな得意技があるとは知らなかった。
「すごい上手なんだな」と僕は素直にほめた。
「あんたに言われてもうれしくないわよ。どうせモデルがいいからとか思ってるんでしょ」
まあ、こういったやりとりは僕らにとってのお約束だ。彩佳さんが言っていたように、内心では沙紀も喜んでいるんだろう。
「あたし、ちょっとトイレに行ってくるね。二人ともここにいてよ」
照れた顔を隠すように沙紀は教室を出て行った。
静かな教室の中で彩佳さんと二人きりになるととても落ち着かない。まるでこれから告白が始まるような雰囲気だ。僕は沈黙に耐えきれずに窓辺に歩み寄って校庭を眺めた。日差しが強くて目がくらむ。
彩佳さんが僕の隣に立った。
「ねえ、カズ君、さっき言ってたヤマト君とダイチ君って、沙紀ちゃんのお友達二人いるの?」
思わず笑ってしまった。
「え、何かおかしかった?」
「いやごめん、でも、知らない人はそう思うよね」
僕は呼び名のいきさつを説明してあげた。
「ホントはダイチなんだけど、沙紀が勝手にヤマトって呼んでるんだよ」
「全然違うのにね」
「漢字を見間違えたのに、無理矢理名前の方を変えさせちゃったんだよ」
「占い師の人みたいだね」
「迷惑なお告げだよね」
彩佳さんがふふっと微笑む。
「恋愛成就のお告げかもよ」
「ふうん、そうなのか……」
僕はちょっと意味が分からなくて戸惑ってしまった。
「カズ君って、鈍感だよね」と彩佳さんが窓ガラスを人差し指でなぞる。埃が取れて一筋の跡が残る。
「そうかな。けっこう敏感だけど。腕とか触られただけでビクッてなるよ」
「それは敏感かもしれないけど、やっぱり鈍感だよ」
女子の話は時々なんだかよく分からないことがある。
でもまあ、今のこの瞬間が楽しいのは間違いないから、それでいいや。
「まぶしいね」
彩佳さんが窓越しに空を見上げて目を細める。僕は思わず彼女の顎から喉にかけての無防備なラインに見とれてしまった。
「今度ここに星を見に来ようね。二人で」
え?
あれ、今の僕の聞き間違いじゃないよね。のどに何かが絡みついたようになって返事ができない。
ほんの一瞬のはずなのに、何も言えない自分のもどかしさで、沈黙が永遠に感じられる。ガラス細工の中に立体的な像が浮かび上がるように、色はまだついていないけど、お互いの気持ちがくっきりと現れたような気がした。
彼女は無邪気に話を続ける。
「きっと、きれいだよ。まわりに家もないから」
「ああ、そうだね」と僕はかすれた声でかろうじて答えた。
「絶対に約束だよ」
返事をしようとしたとき、廊下にパタパタとスリッパの足音が響いた。
「お待たせ」
振り向くと、教室の入り口で沙紀が後ずさろうとしている。
「あらぁ、お邪魔だったかしら、あたし」
わざとらしくおばさんぽいしゃべり方で僕らを冷やかす。彩佳さんが苦笑している。僕はあわてて否定した。
「大知の話をしてたんだよ。ヤマトってやつと二人いるかと思ったんだってさ」
「ふうん」と口をとがらせて中に入ってきた。「ホントかねえ」
沙紀が僕らの肩に手をかける。
「まあ、いいや。今度、お祭りあるじゃん。ヤマト君も誘って四人で遊ぼうよ」
「ああ、そうだな。事前に言っておけば大丈夫だろうし、お祭りは夜だから家の手伝いは関係ないもんな」
僕らはゴミと忘れ物がないか確認して校舎の外に出た。再び夏草と土の香りに包まれて、異空間の時間軸から今という現実に引き戻される。
僕は青空を見上げた。ここから見る星はきれいなんだろうか。それを確かめるときは来るんだろうか。
不意に不安が襲う。まただ。もう何度目だろう。
自分だけが舞い上がっているんじゃないのか。
いや、だって、さっき、『二人で』って言ってたじゃないか。
聞き間違いじゃない。もっと素直に受け止めてもいいんじゃないか。
昨日だって心配していたけど、杞憂だったじゃないか。
満天の星空が落ちてくるなら、それを二人で見るのも悪くない。
またもポエムを語ってしまった。
「ちょっと、あんた、何ニヤけてるの? チャリでずっこけないでよ」
浮かれすぎていて沙紀にバカにされた。
まあ、いいさ。
三人で坂道を勢いよく下る。
これから先もいろいろなイベントが待ち構えている。まずは今週末の夏祭りだ。
夏祭りが楽しみなのは、この街で生きてきて初めてのことだった。
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