第150話 伝説の大戦2
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
ここは大平原【テルマ】。
今、世界中から集められた数千万の兵士と、魔物が激突した。
それは想像するよりも、遥かに激しく、凄まじいものだった。
その一ヶ所、オプロス国の冒険者・・・・・プレイヤー達の戦い。
「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ザンッッッッッッッッッ!!!!!!!
トップクラン【たぬき】のクランマスター、カズキが自慢のハルバードを魔物の脳天へと叩きこむ。
ドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!
同時に、仲間のミカンやリュウジが魔法や弓を打ち込む。
ズズンッ・・・・。
すると、やっと一体の大きな魔物が地面へと倒れる。
「はぁはぁ・・・・・冗談だろ?何なんだ!!魔物一体一体が強すぎるぞ!これじゃ、高レベルダンジョンのボスレベル・・・・・いや、未踏破ダンジョンレベルだぞ!!!!」
カズキはクラン全員でやっと一体を倒して言う。
「ええ・・・・・これはやばいわね。」
ミカンが同意する。
カズキは戦っている周りの戦況を見ながら叫ぶ。
「数はこちらの方が圧倒的に多いが、魔物が強すぎる。・・・・・・リュウジ!司令部に報告だ!魔物は、レイドボスと考えて、数十人の団体で対応する様に言うんだ!
そうじゃないと、太刀打ちできないぞ!!!」
「分かった!!!」
上位クラン【たぬき】の幹部リュウジは、すぐに各国のリーダーが集まっている司令部へと駆けていった。
駆けていくリュウジの後姿を見ながらカズキは言う。
「・・・・・なぁミカン。俺達はここへ転移して色々と冒険をしたが・・・・・ゲームなら問題ないが、今は死んでしまう。仲間のクランも亡くなったのを見たし・・・・・そろそろ潮時かと思ってるんだ。だから、この戦いが終わったら俺と・・・・・・。」
カズキが言いかけるとみかんが口を挟む
「何弱気な事を言ってるの!カズキは何も考えずに私達を引っ張ってくれればいいの!そんな貴方だから皆ずっとついてきてるんだもの。あなたが本当にやめたいんなら仕方ないけど、私達仲間の事を思って言っているのなら反対よ。」
驚いた顔をしながらカズキはミカンの後ろにいるメンバーを見る。
皆、ニヤニヤしながらリーダーの言葉を待っていた。
「フッ。俺らしくない・・・・・か。そうだな・・・・・そうだよな。・・・・・・よし!皆!これだけ強力な魔物達だ!ドロップアイテムも期待できるぞ!俺達で狩って、狩って、狩りまくってやる!・・・・・いくぞ!!!!!」
「「「 オオ!!!! 」」」
カズキはメンバーと一緒にハルバードを抱えながら魔物へと突進していった。
その後ろ姿をミカンは見ながら小声で言う。
「・・・・・ばか。告白するのは私からって決めてるんだから。」
そう呟くと、ミカンもカズキの後へと駆けていった。
☆☆☆
「ハァッ!」
ギィィィィン!
リールが魔物に一刀を入れるが、鋼鉄の様に頑丈な腕で防がれる。
ドンッ!!!
そのまま魔物が防いだ腕でリールの頭を狙って叩きつけるが、それをバックステップで躱す。
その拳はそのまま地面へとめり込んだ。
拳を地面にめり込ませたのを見て、リールは一気に踏み込もうとすると、別の魔物が死角から鋭い爪で攻撃する。
ジュバババババババババ!!!!!
ドドドドドドドドドドド!!!!!
死角からリールに攻撃しようとした魔物を、ジョアンの助手、ミューズが後ろから斬り刻む。
その攻撃で、動きが止まった所で、今度は同じ助手のクリストが、残像が残る程の速さで、両手に持っている二本の槍で、魔物を穴だらけにした。
「・・・・・油断しない。」
ミューズが言う。
「ありがとうございます!ミューズさん!クリストさん!」
「しかし・・・・・随分と離れてしまったな。」
クリストが言った先をリールは見る。
そこには、無数のバラバラに斬られた魔物の死体が一直線に横たわっていた。
まるでそこだけ人が通ったかの様に。
それは、ジョアンが通った道だった。
「・・・・・やっぱり凄いわ。」
リールが呟く。
「フッ。当然。ジョアン様があんな魔物ごときに遅れはとらないさ。・・・・さて、私達は無理せずに魔物を狩るのがご命令だ。
リール。あまり奥に入り込まない様にな。リールを守るのもジョアン様の指示なんだからね。」
クリストが言うと、リールはすまなそうに頷く。
・・・・・他の国の兵達が数十人で倒している魔物を一瞬で二人で・・・・・本当に強い。この方達は。・・・・・
私は強くなったと自負している。でも、この二人にはまだまだ届かないわ。そしてその先にいるジョアン様とゼロ・・・・・もっと精進しないと。
リールは魔物へと向き直ると、剣を片手に駆けていった。
・・・・・ゼロから教えてもらった剣技を駆使しながら。
☆☆☆
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!
戦闘が広範囲で繰り広げられる中、一部の場所が異常な光景を見せていた。
天から無数の雷が降り注いでいるのだ。
まるでそこだけ、天候が雷雨になったかの様に。
その無数の雷は、数体の魔物へと集中的に降り注ぐ。
すると、それでも進撃をやめない魔物達だったが、耐えられなくなったのか、足が止まり、そのまま焼けて体全体が崩れていく。
「よし!レベルが高い魔物でも、流石に我が隊が同時に放つ1万の雷最上級魔法を浴びれば耐えられないか!第一列は一番後ろへ下がって魔力の補給を!
レイ将軍を少しでも楽にさせるんだ!そのまま第二列!次の魔法を放てぇぇぇぇ!!!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!
レイに任され、代わりに指揮しているメイクが【アルメリアの杖】10万の部隊に指示を出していた。
「お前達!!いくぞ!!!」
オォォォォォォォォォォォ!!!!!!
その魔法の合間、弱った魔物に、一気にとどめを刺しに行く【アルメリアの盾】10万。
その先頭にいるサイクスが突っ込む。
それに合わせて、他の主力部隊の【アルメリアの剣】と【アルメリアの弓】も参加して次々に魔物を打ち倒していく。
明らかに、アルメリアの軍がいる所は、魔物達を圧倒していた。
数時間が経過し、丘の上にある指令室でアルメリア軍の健闘をヒッキは見ながら呟く。
「うん。・・・・・出だしはまずまずだな。だが、後ろに控えている、中から大の魔物がまだ前線に現れていない。今の内に、数を出来るだけ減らさないと、厳しい・・・・・か。」
バンッ!
指令室の扉から伝令兵が入ってくると、指揮官達に言う。
「報告です!徐々に、中型と大型の魔物が現れ始めました!!!」
「チッ!・・・・・言ったそばから現れたか!!!」
ヒッキは思わず舌打ちをする。
魔物もバカじゃない、前線の魔物達で進行を止められないなら、もっと強い魔物が出ればいいだけの事。
すると隣で同じ様に考えていた、クリスタル帝国皇帝オーシャン=クリスタルが伝令兵に言う。
「すぐに全部隊に通達しろ!中型と大型の魔物には中隊以上であたる様にと!!!小隊レベルだと全滅してしまうぞ!!!」
「ハッ!!!」
伝令兵は敬礼するとすぐに駆けていった。
ヒッキが驚いた顔で言う。
「オーシャン殿・・・・・的確に我々の為に指示をだすなど・・・・。」
「フッ。意外でしたか?」
ヒッキは素直に頷く。
オーシャンは戦況を見ながら言う。
「・・・・・今は、敵とか味方とか関係ありませんよ。自分の国を守る為に最善を尽くしているだけです。・・・・・我が【7星】も戦場へ行っているのでね。失うわけにはいきません。」
ヒッキも同じ様に戦況を見ながら言う。
「そうですね。・・・・・まずはこの戦いを終わらせる事が最優先ですね。」
国と国の戦いなどは、この世界がなければ意味がない。
クリスタル帝国の繁栄と、拡大を行う前に、この戦いを乗り越えなければ。
オーシャンはヒッキの隣で、クリスタル軍の動向をみながら次の戦略の指示を出した。
☆☆☆
「・・・・・まずいな。」
ヒッキは戦況を見ながら呟く。
あれからまる一日が経った。
初日は、圧倒的な数や勢いで、魔物達の数を減らしていったが、途中から中型や大型の魔物が現れてガラリと戦況が変わった。
中型は、まだ対応が出来た。
しかし大型の魔物はレベルが違った。
中隊の部隊がまるで歯が立たずに、全滅していった。
離れた所から、飛空戦艦で砲撃しているが、まるで効かない。
今は、大部隊であたらせているが、こちらの被害が大きく、あまり芳しくなかった。
クソッ。・・・・・どうする?このままだと、我々との戦いを無視して、元凶の方へと向かって行ったレイ達や精鋭の大部隊の方へと意識がいってしまう。
それだけは何としてでも防がないといけない。
我々は、多くの魔物をこちらへと意識を向けさせて、その間にレイ達と厳選した精鋭の大部隊で薄い所から一気に元凶の元へと向かって倒す作戦だ。
レイ達はかなり奥まで進んでいっている事だろう。
その後方から、あの大型の魔物達に襲わせるわけにはいかない。
しかし、このままだとあまりにも各国の兵士の被害が大きくなってしまう。
どうすれば・・・・・・。
ヒッキは真剣な面持ちで戦況を眺めながら考えていると、外で指示を出していた『オロプス国』のレギアス王が指令室の扉を勢いよく開けると各国のリーダー達に言う。
「何か来たぞ!!!!」
???
ヒッキは、すぐにレギアス王の後について行き、外に出ると、戦場とは逆の自分達が上陸して来た方を見る。
・・・・・そこいたのは、海に生息している巨大な怪物や武器を持った魚人達が。
そして、羽を広げた天馬に乗って、黄金の鎧を纏った屈強な兵士達が空を駆けている。
一足早く、その中でもひときわ目立つ格好をしている者達が天馬でこちらへと来ると、ヒッキや他の国の代表者達の前に降り立つ。
「貴方は・・・・・。」
ヒッキが問いかけると、その中の一人が言う。
「・・・・・我は、天界人の国『エデン』の王、カイシス=ヘンギス。」
「我は、天竜人の国『テンペスト』の天竜王。・・・・そして後ろにいるのはその幹部達だ。」
「天界?・・・・天竜?」
おとぎ話に聞いたことはあったが、実在していたのか!?
ヒッキが驚いていると、カイシスが言う。
「・・・・・我々、天界の者達はレイ殿に大きな借りがあってな。・・・・・・それを返しに来た。・・・・・あの魔物達を屠ればいいのだな?」
そう言うと、カイシスは片手を上げて叫ぶ。
「皆の者!!!やっとレイ殿に借りを返せるぞ!!!!一匹でも多くの魔物を倒すのだ!!!!!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!
天空にいる多くの天界の兵士達が一気に地上にいる魔物達へと突撃していった。
すると、すこし遅れて、数人の魚人達が現れる。
その内の一人、一目で見て分かる、一番この中で偉いであろう男が、『オロプス国』のレギアス王の方へと歩むと、握手する。
「我も戦いに参加しに来たぞ。」
「おお!貴殿は海国王ポリウス殿ではないか!」
今は、オロプス国と海国人の国『レべリア』は友好関係を築いている。
「・・・・・レイの演説を聞いてしまったからな。あの魔物達がいつか海国を滅ぼしに来るのなら、今叩いておこうと思ってな。・・・・・・それに、人魚達があまりにもうるさくてしょうがなかったのでね。」
レイを助けろ、レイを助けろと、人魚達が『レべリア』国へ来て騒ぎ立てたのだ。
流石に聞き流すわけにはいかなかったのも一つの理由だった。
「まぁ、人魚は陸にいられる時間があまりないのでな。その代わりに人魚達と共に生きている海の怪物達を参戦させたわ。・・・・あの大きな魔物達の相手は、我が海の者達が相手をしようではないか。・・・・・行くぞ!!!お前達!!!!」
ガァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!
オォォォォォォォォォォォ!!!!!!
ポリウスはそう言うと、海の者達を連れて戦場へと駆けていった。
その様子をヒッキは見ながら、そっと呟く。
「・・・・・・レイ。君は、この世界だけでなく、まだ俺達が知らない世界までも味方にしているんだな。・・・・・これで暫くは踏ん張れそうだ。
レイ・・・・・・後は頼んだぞ。」
ヒッキは、遥か先にある元凶がいる一際高い建物に向かっているであろう親友を想いながら、各部隊に新たな指示を出した。
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