第34話 変態、解説する
【セツナ】
さーて、そろそろだな。
エルフのルナは美意識過剰、吸血鬼のセラは傲慢、鬼の椿は頑固一徹。
共通点は新たなチカラを求めて入学してきたこと。
けけけ、あいつらの言動が手に取るようにわかるぜ。
どうせ揉めに揉めて決裂した頃だろ? 全員で拒否を示せば嫌いな男にセックスアピールしなくてもいいってのに……バカだねぇ。
セツナ班【神狩り】結成を決める最終決戦では見事な連携を見せたってのに、ちょ〜っと餌をぶら下げた途端、こうだもんな。
相変わらず扱いやすい教え子だ。
まっ、そのおかげで性癖を満たすことができるんだから感謝しねえと。
どんなパンティーを見せつけてくれるのか、的中率九十八パーセント【下着占い】で確認してもいいんだが……こればかりは当日の楽しみにしてもいいだろう。
前述したが、俺の趣味の一つに女の下着や水着の品定めがある。
男一人で店に寄ることなんざ恥ずかしくもなんともねえ。
ちょっと前までは騎士や詰所に山のように通報されていた俺だったが、現在はお得意様だ。
スケベや下品なそれを発見するや否や値札を見ずにお買い上げ。
店によっちゃ専属のモデルやコーディネーターが着用したところを試着室で鑑賞させてくれるレベルだ。
けけけ。役得役得。
もちろん購入したそれらは【仮装自在】へ。俺のコレクション行きだ。
結界魔法内ではパンティーを着用しないと呼吸ができないようになっている。
俺のコレクションを苦虫を潰すような表情で触れ、スカートを捲られたときの反応といったらもう! 控えめに言っても最高だ。
奴隷紋を解こうと挑んでくる
おいおい、やっぱり天才かよ。いつの間にか魔術師の命題【永久機関】まで完成させちまったぜ。
ここで俺が大好物の下着について解説してやろう。
下着にはファンデーション、ランジェリー、ニットインナー、ショーツに分けられることは言うまでもないだろう。
もしもそれすらしらなかったやつがいれば、俺と旨い酒は呑めねえだろうな。
なにせこんなのは序の口だ。マニアックな話について来れなくなるのが目に見えている。
見聞を広めてから声をかけてくれ。
まずファンデーション。意訳すると基礎、基盤だ。芸術品のような女のボディラインを美しく整えるのが仕事だ。
ここに分類されるのが、我らが神と称えるブラジャーだ。ブラはいい。
猫耳にして被るのもよし、匂いを嗅ぐのも良し、ホックをいかに早く解けるか競うもよし、投げて魔術を喰らい尽くし、それを射出させるのも良い。
そもそも乳は女神が与えた奇跡の双頂。その偉大なる大自然の形状を維持・支持するために編み出されたのがブラジャーだ。
偉大なる大自然の恩恵を受けて育った男(ここではあえて男に限定した)が惹きつけられる下着であることは言うまでもないだろう。
さらにブラにはワイヤーの有無の他に、フル(豊かなバスト推奨)、3/4(谷間)、ハーフ(下から支える)、ブラレット、ブランジ、フロントホック(俺が好きなやつだな)、モールドカップ、ブラトップ、スポーツブラ、ナイトブラ……etc。
この場で語り尽くせないのが悔しいぜ。
ファンデーションの他にはガードル、ボディスーツ、ガータベルト(俺が好きなやつだな)がある。
着用するのはセラ、椿、ルナ、ロゼとモデルは超一級品の美少女さま。
カァッー! 何を選び披露してくれるのか楽しみで仕方ないぜ。
よもや三百歳を超えてから遠足を前にした少年のような童心に戻れるとはな!
ランジェリーは簡単に言うと機能と装飾を兼ね備えたもの。ファンデーションの上から身につけるということもあり、バリエーションが豊かになる。
つまりファッションセンスが問われる分野だな。
キャミソールが有名か。あとはスリップ、ペチコート、テディあたり。
ここは正直にいえばロゼに期待したい。
ニットインナーは保温や吸汗を目的としたもんだ。
で、ショーツ。これにはさすがの俺もうるさいぞ。
代表的なものはジェスト、ビキニ、ハイウエスト、ブラジリアン、ボックス、Tバック、タップ。
パンティーは素晴らしい。
形状、色、素材(手触り)、刺繍、尻を覆う面積量、透け感、穿き心地と千差万別。
最も奥が深い分野といえる。
ビキニは面積が小さく、デザインが豊富である点から若い女に人気だ。俺? もちろん大好物だ。
個人的にルナにはブラジリアンを期待したい。
これは尻が半分ほどしか隠れない。あいつは乳だけでなく尻もデカいからな。これを穿かれた日には撫で回し不可避。
女ってのは撫でられたらデレると噂に聞いたことがあるから、惚れられちまうかもしれねえな。けけけ。
セラと椿はそうだな……均整の取れたモデル体型だ。なにを穿いても似合いそうではあるが——Tバックは外せないな。
Tバックは尻を覆う部分がない。闇に潜む種族である二人には是非黒を選んでいただきたいぜ。
いやー、最高の合宿になりそうだね。
休日返上して教え子の教育に付き合うだけでも教職の鑑だってのに、ワクワクして待ち遠しくなるなんて、俺って本当に優良な講師さまだぜ。
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