第10話 変態、美少女四人を奴隷にする
決着を告げた俺は指を鳴らして彼女たちの衣装を強制変化させる。
Vネックタイト、胸元がばっさり開いた短袖Tシャツ、胸元強調カットソー、胸開きタートルネック。予備としてセクシータンクトップなどもある。
『仮装引裂』による魔法無効化と『風刃』を防ぐため、爆ぜるように飛び回る四人だが、当然体力には限界がある。
《黒血術》は躰を酷使する術だし、『鬼人化』には活動限界時間が設けられている。
さらに乳デカはなぜか雷を纏い続けることができず、術の切れ目に再び展開するなど無駄が多い。
まあ纏い続けたくてもできないというのが正確な言い回しか。
魔女のロゼは『天照』による光速移動と上級闇魔法『
動体視力が強化された《魔眼》で追われていた分、視認されないよう飛び回らなければいけない現実は彼女たちを相当消耗させたはず。
さて、そろそろ反撃開始と行きますか。
〝鬼畜度〟がⅣを示したことにより一番最初に平常心を欠いたのは剣豪である椿。
鬼という性格から考えれば、ムキになってしまうのも無理はないが、その自暴自棄は剣士に非ざる行為だ。
「うわああああああああああああああっっー‼︎」
ぶるんぶるんと乳を揺らしながら突進してくる椿をしっかり視認し、右手を頭上へ。
刹那、『仮装自在』に待っていた一枚の『
その光景に何か良くないものを感じ取ったセラ、乳デカ、ロゼは制止の声を張り上げる。
「待ちなさい椿!」
「お待ちになってください椿さん!」
「ここで真正面から向かったら変態の思う壺でしょ⁉︎」
普通は止めるわな。俺の戦術から考えても突進してくることは得策じゃない。
命のやり取りで最も愚行なのは己を捨てることだ。
もしもこれが本当の戦争だったなら椿はここで死んでいただろう。
だからこそお灸を据える必要がある。最後まで自分を捨てるな、諦めるな、という戒めだ。
「――流剣術上伝」
ここに来て剣技のランクも秘伝から上伝に下がるのか椿。よっぽど冷静さを欠いてやがるな。
この現状に対して椿を援護するように動いたのはセラと乳デカ。
セラも肉体・精神ともに限界に近いのか。《黒血術》に苦痛を隠し切れない表情。
おそらく血が足りないんだろう。俺でよければいくらでも吸ってくれ。
巨乳美女に笑顔で抜いてもらえて感謝までされるなら本望ってやつだ?
何がって? もちろん献血だ。えっちぃ意味じゃない。向こうが望むならそっちも大歓迎だけどな。
一方、足が止まってしまっているのは魔女のロゼ。警戒が強いあまりに接近することを躊躇っている様子。
その判断自体、咎められるものじゃないが、手練れなら椿の身に危険が迫っていることは一目瞭然。
欲を言えば何かしらのバックフォローを仕掛けて欲しかったところだ。
というより、あいつ、諦めムードに入ってないか?
だとしたらロゼもマイナス百万点だ。
胸元が強調されている仮装のせいで、急いで駆けつける二人の乳もばいんばいんに揺れている。
これは授業料として目に焼き付けさせてもらおう。こっちは貴重な自習の時間を費やしているんだしな。
「――こう見えて俺は教え子に甘い性格でな。〝鬼畜度Ⅳ〟の全貌を明かしておいてやる。俺がこれから披露するのは〝乳揺れを目にした数だけ『
粒子となって消えたブラジャーを握りしめて椿に向かって振り下ろす俺。
刹那、〝四方に枝分かれする不可避の一閃〟が展開される。
ただの四つの斬撃――にあらず。
同一空間、同一時間内に四枚もの刃が己に迫ってくる一本の剣筋。
さすが次期《聖剣姫》との呼び声も高い姉の妹だけのことはある。
まともに発動させていたら今ごろ俺は五体不満足だったことだろう。まさしく達磨さんが転んだ、だ。
己の剣術でようやく我に返ったんだろう。椿は咄嗟に上伝から秘伝へと転換し、致命傷を避けるために『儚桜』で瞬時に相殺しにかかる。
しかし、どう考えても付け焼き刃だ。
後出しじゃんけんで四刃を防ぎ切るのは不可能だ。
プシャーと彼女の両腕から勢いよく血が噴き出す。
これでまともに『雷切』を握ることさえままならないだろう。
これで一人脱落。
安心しろ。この空間を解けば傷は消えるよ。むろん、今は教えてやらんがな。
「ぐああああーっ!!」
「椿!」「椿さん!」
「おいおい、他人の心配をしている暇がお前らにあんのか? ガキのくせに下品な乳を激しく揺らせやがって。おしおきだ。上級光魔法『八咫鏡』、上級雷魔術『雷骸弾』」
セラに光魔法のレーザー照射、乳デカに雷で出来た弾丸の雨を浴びせる。
特に効果抜群だったのがセラだ。
彼女は体質上、不死身で再生能力が高い。
吸血鬼と単に言っても再生速度はピンからキリまであり、瞬時再生>超速再生>高速再生>標準再生とランク付けされている。
光魔法はいずれのランクであっても一〜二段階程度再生を遅らせることができる。
ましてセラは《黒血術》による疲労、血液不足など目に見えて弱体化しつつある。
ここに来て存在自体が稀有な光魔法を浴びせられたらたまったもんじゃないだろう。事実上二人目の脱落だ。
「あぅ……ああーっ!」
レーザー照射が肢体を貫通したセラは唇を噛み締めながら必死に意識を失うまいとしていた。
椿の傷は再生されるものの、おそらくセラの吸血衝動はおさまらないだろう。
他の生徒を襲わせないよう、あとで俺の血吸わせよう。仮にも俺は講師だからな。教え子の尻拭いをするのは大人の役目だ。
『雷骸弾』を浴びて転がり回る乳デカ。
それを目にするだけで『暴食ブラジャー』から魔法を吐き出す発動条件が五回以上確保される。
ルナがようやく落ち着きこちらに眼を向けた次の瞬間。
俺はもう左手のブラジャーを振り下ろす寸前だ。
――極級光魔法『天叢雲剣』
雷速を上回る光速の剣。
それがルナへと振り下ろされる。
椿が放つ不可避のそれとはまた違った剣だ。発動された時点で回避する術はない。
これで三人目の脱落決定。ルナは何が起きたのか自覚する前に意識を失っていた。
残すは一人だが……。
いっそ最後の抵抗で《ゴーゴンの瞳》でも向けてくることを期待した俺だが、ロゼは女の子座りして、諦めモード一色。
冷静に周りが見えていた分、圧倒的な差に意気消沈していた。
まあ天才たちが無惨に散っていった光景を目の当たりにすれば戦意喪失するわな。
ただ、この決闘には生殺与奪の権がかかってんだ。もうちょい粘り腰が欲しいな。
「……『熔岩牢獄』にでも閉じ込める気?」
「肉と骨をを溶かされる地獄を味わいたければ発動してやるよ。ったく、セラの野郎。えげつねえ極級魔術をぶつけようとしやがって。で? どうする? サレンダーする気か? 魔女のお前ならまだまだ色々とを隠し持ってんだろ? 最後まで抗わねえのか? このまま白旗を上げたら慰み者にされるかもしれねえんだぞ」
「もういいわよ。どうせ私が発動しても喰らい尽くされるんじゃ意味ないし。覚悟を決めるわよ」
最近の魔女ってのはずいぶんあっさりしてんのな。
俺は反応が淡白な女もイケる口だが、こうも張り合いがねえと興醒めだ。
なにより生殺与奪がかかっている現状で戦闘を放棄することに失望を隠し切れねえよ。
この瞬間、公平平等の精霊によるジャッジが下される。俺の手の甲に主人を示す紋が、彼女たち四人の手の甲に奴隷紋が刻まれる。
まっ、結果はどうであれこれにて自習の時間GET〜!
とはいえ、せっかく奴隷を手に入れたんだ。
彼女たちが目を覚ましたらすぐさま命令だ。
何がいいかな、何がいいかな、ふんふんふんふふふん。
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