一目惚れスピリチュアル5

放課後、玲は温室へと向かっていた。

彼も、三年生の魔法少女の一人。

あまり魔法少女になることは無いが、今日は別。

三年生の魔法少女が収集されたからだ。

収集なんて珍しいな。

そう思いつつも玲は温室へと向かう。

実は、玲はあまり魔法少女になることを好んでいない。

別に仲間の魔法少女が嫌いな訳じゃない。

ただ、自分自身が魔法少女になることが苦手なのだ。

「はぁ、変身しないと、だね…今日こそ自我を保てれば良いんだけど…」

校舎裏へと来れば溜息を付いた。

そして、ポケットを漁れば小さなカッターナイフを取り出す。

シャツの手首を捲れば、そっとそのカッターナイフを皮膚へと触れさせた。

ぷくり、血溜まりが手首から溢れ出る。

己の血に染る刃。

その刃を手首から離せば、舌先でペロリと舐めた。

彼の身体が光に包み込まれる。

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