春風のプリンシピオ2
「御影の大切な人なんて知りたくなんてなかった……」
寮の寝室。
同室の眠る御影の姿を見下げれば今にも泣きそうな顔で呟いた。
遠目で見ただけだったので、流石に誰だかは、分からなかった。
御影の大切な人がとても羨ましい。
あの、眼差しを、あの微笑みを、要舞は浴びたかった。
そう思うと悔しさに顔が歪む。
今、己は一体どんな顔をしているのだろう。
きっと醜く、とても人には見せることの出来ない顔をしているかもしれない。
黒い気持ちが胸の奥底で渦巻いた。
そっと心地良さそうに眠る御影へと手を伸ばす。
しかし、要舞には届かない。
カチ、と変身アイテムのさくらんぼのネックレスにひびが音がした気がした。
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